監督に直訴して野手転向→初出場でドラ1候補から満塁弾 法大3年生が大躍動

4回にグランドスラムを放った法大・山根滉太【写真:伊藤賢汰】
4回にグランドスラムを放った法大・山根滉太【写真:伊藤賢汰】

投手として入学も今年1月に野手転向を直訴

 東京六大学秋季リーグ戦で、法大は17日、立大に6-4で先勝。「7番・一塁」でリーグ戦初出場の山根滉太内野手(3年)が満塁本塁打を放つなど4回に一挙5得点を奪い、ドラフト1位候補で最速153キロを誇る立大先発・荘司康誠投手(4年)を攻略した。

 両チーム無得点で迎えた4回、法大打線が火を噴いた。1死から死球と四球で一、二塁とし、5番の浦和博内野手(3年)の中前適時打で先制。さらに四球で1死満塁とすると、山根がカウント3-2から真ん中付近のスプリットを右翼席へ運び、荘司をこの回でKOした。7回には、プロ注目の斉藤大輝内野手(4年)が左翼席へソロを浴びせ、点差を広げた。

 グランドスラムを放った山根は、この試合がリーグ戦初出場。1打席目は遊ゴロに倒れたが、2打席目の公式戦初安打・初打点に、想定外のおまけが付いた。

 石川・小松大谷高から投手として入学したが、今年1月、加藤重雄監督に「投手は辞めて、打撃に専念したいです」と直訴し野手転向。山根は「大学入学後、オープン戦でもホームランは打ったことがありませんでした。満塁弾は(生涯で)初めてだと思います」と夢見心地。前夜にスタメンを告げられ、スタンドには石川県から両親を呼んでいた。加藤監督も「前週、早大に2試合連続完封負けを喫していたので、なかなか三振しない山根の粘り強さに賭けました」としてやったりだ。

 立大はエースの荘司が4回5失点と誤算。5回の攻撃では、西川晋太郎内野手(3年)の左翼線2点二塁打、ドラ1候補の山田健太内野手(4年)の中犠飛、吉岡広貴外野手(4年)の右前適時打で4点を返し、1点差に迫ったが、法大の継投の前にあと一歩及ばなかった。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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