大学準硬式が甲子園で11・13に“日本一決定戦” 毎年開催を視野「盛り上げていきたい」

東日本選抜と西日本選抜のユニホームのデザイン画とともに写真に収まる亜大・保坂(左から2人目)と法大・藤中(右から2人目)【写真:宮脇広久】
東日本選抜と西日本選抜のユニホームのデザイン画とともに写真に収まる亜大・保坂(左から2人目)と法大・藤中(右から2人目)【写真:宮脇広久】

11・13に開催…コロナ禍で甲子園が中止になった世代の選手も出場

 大学生に甲子園出場の“セカンドチャンス”を──。全日本大学準硬式野球連盟は28日、都内で会見を開き、11月13日正午プレーボールで甲子園球場を舞台に、東日本選抜VS西日本選抜の形で日本一決定戦を開催すると発表した。同連盟に加盟する272大学・1万人近い選手の中から、両チームの選手25人ずつ、コーチ、マネジャー、スコアラー、トレーナー、さらには審判、ボールパーソンなどを選出した。

 同連盟の杉山智広理事(日大準硬式野球部コーチ)は「数年前にツイッターでアンケート調査を行ったところ、高校球児のうち92%が、もう1度甲子園という目標を持てるなら、卒業後の進路を決める際に魅力を感じると答え、大学で野球を続ける気のなかった高校球児のうち72%が、甲子園でプレーできるチャンスがあるなら続けたいと答えました」と紹介。「多くの野球人がドキドキワクワクできる大会を準備するつもりですし、来年以降も毎年開催できるように、盛り上げていきたいです」と力を込めた。

 出場選手の中には、コロナ禍で夏の甲子園大会が中止された一昨年、各都道府県高野連が開催した独自大会で優勝したチームの選手も含まれている。法大・藤中壮太投手(2年)は鳴門高時代に最速142キロでエースの座に君臨し、一昨年の徳島県独自大会を制した。「甲子園でプレーすることはないと思っていました。素直にうれしく思います」と感慨深げに語る。亜大2年の保坂将輝内野手は聖隷クリストファー高時代に静岡県独自大会優勝を経験しており「ホームランを打って甲子園のダイヤモンドを1周したい」と目を輝かせた。

 準硬式球は、硬式と軟式の中間で、硬式球の中身をゴムで覆った格好。大学の準硬式野球部のプレーヤーは、野球初心者からプロを目指すレベルまで幅広いのが特長だ。西武の大曲錬投手は、2020年ドラフト5位で福岡大準硬式野球部から入団。2年目の今季は中継ぎで6試合に登板し、防御率6.35の成績を残している(28日現在)。

 大学野球選手の憧れと言えば、東京六大学リーグや東都大学リーグ、全国大会の明治神宮大会が行われる神宮球場だろう。しかし、準硬式で東西の選抜チームに選ばれれば甲子園でプレーできるとなれば、“準硬(じゅんこう)プレーヤー”は飛躍的に増えるかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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