オリックス“苦難のリーグ連覇”を支えた功労者は? 離脱者続出も新たな戦力が台頭

オリックス・吉田正尚【写真:橋本健吾】
オリックス・吉田正尚【写真:橋本健吾】

離脱者が相次ぐ中で、大黒柱をはじめとする昨季の主力が意地

 最後に、今季60試合以上に出場した野手陣の成績を紹介する。

 昨季は打率.301、32発で本塁打王に輝いた杉本裕太郎外野手が不振に陥り、T-岡田外野手も36試合で打率.149と絶不調に。それに加えて、新型コロナがチーム内で流行し、実績のない若手がスタメンの大部分を占める事態に陥るなど、序盤戦では非常に難しいやり繰りを強いられていた。

 それでも、大黒柱の存在感は別格だった。吉田正尚外野手は惜しくも3年連続の首位打者こそ逃したものの、打率.335(リーグ2位)、21本塁打(同4位)、88打点(同2位)と、打撃3部門全てでトップクラスの数字を記録。2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得し、OPSもリーグで唯一1.00を超える数字を残すなど、圧倒的な打棒で文字通りチームをけん引した。

 昨季の主力組では、宗佑磨内野手と紅林弘太郎内野手がチーム最多の130試合に出場し、離脱者が続出する中で懸命にチームを支えた。福田周平外野手は不振で2軍落ちも経験したが、9月30日にサヨナラセーフティスクイズ、10月2日には逆転打と最終盤に貴重な働きを見せた。

 捕手陣では、若月健矢捕手が打率.281と課題の打撃で長足の進歩を見せた。伏見寅威捕手もチーム最多の75試合でマスクを被り、盗塁阻止率.324と強肩を発揮。シーズン最終戦では2安打3打点と打撃でも存在感を発揮した。昨季に続き、捕手の併用策が効果的に作用したといえそう。

 今季のチームが掲げたキャッチフレーズは「全員でW(笑)おう!!」。チームが一丸となって苦境を乗り越え、V2を達成した今季の戦いぶりは、まさしくこのスローガンに相応しいものだった。新たな戦力が次々と台頭して苦境を乗り越え、大逆転で歓喜のゴールテープを切った今季の戦いぶりは、王者が誇る“チーム力”を示すものだった。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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