NPB球団のアカデミーってどんなところ? 元楽天・鉄平コーチが教える“4つの約束事”

楽天などで活躍した土谷鉄平氏【画像:(C)PLM】
楽天などで活躍した土谷鉄平氏【画像:(C)PLM】

社会性を身に付ける第一歩に…繰り返し伝える挨拶や礼儀の大切さ

 あいさつをしたり、声を出したりするのが苦手な子どもたちには、できるだけ大きな声を出す訓練、練習をしようと声をかけます。野球は声を出しながらやるスポーツなので、どんな場面でも大きな声を出せるようになると、上達する大きな一歩になります。

 ただ、子どもたちに声を出すように強制はしません。声を出しやすい環境をコーチがつくります。例えば、ノックで「いくよ、いくよ」とノリよく声をかけると、子どもたちが「さあ、来い」と応えやすくなります。アウトカウントの確認といった出しやすい声から少しずつ口にできるよう促すなど、子どもに合った方法を探していきます。

 あいさつや礼儀の大切さは、繰り返し伝えている最も大事な部分です。子どもたちは、両親や周りの人たちの力なくして野球ができません。スクールの送迎や練習の準備などを決して当たり前とは思わず、感謝の気持ちを持ってもらいたいと思っています。その思いを表現するのが「お願いします」、「ありがとうございます」などです。これは野球に限ったことではありません。スクールを社会性を身に付ける第一歩にしてもらいたいと心掛けています。

 小学3、4年生でスクールに入会して、最初は借りてきた子猫のように、うんともすんとも反応がなかったのに、気付いたら自発的にあいさつできるようになる子もいます。そうやって、野球の成長以上に、あいさつや礼儀に変化が表れると喜びを感じます。実際に保護者の方からも、あいさつができる子どもになってほしいという要望は多いです。スクールの指導方針にしている「子どもの可能性を広げる」というのは、野球の技術にとどまらず、社会性や考える力といった野球を通じて得るものも含まれています。

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