“常識破りの1球”で二盗阻止 ダルビッシュと相棒が見せた今季最高の共同作業
俊足ベッツの二盗を阻止…変化球を投じた意図とは?
試合後、ダルビッシュの粘投を称える言葉を連ねたボブ・メルビン監督が、声のトーンを上げて称えたのが5回裏の場面だった。ジャイアンツやオリオールズなどで捕手として10年のメジャー経験を持つ同監督は、オースティン・ノラ捕手とダルビッシュが共同作業で成立させた俊足ムーキー・ベッツの二盗阻止に感じ入った。
「今年1番の送球だった。この試合の大きな山場でそれが出た。ユウは前半戦よりも後半戦のほうが(牽制で)うまく走者をとどめていると思う。それで送球する時間を(ノラに)与えたんだ。それがあの送球を生んだ。走者を警戒して成し遂げた2人を称えたい」
ただ、この共同作業は、“常識破りの1球”が生んだことを付言しなければならない。
四球で出塁させたベッツに対しダルビッシュは3球連続の牽制で警戒。そして、打席に立つ2番トレイ・ターナーへの初球に選択したのが速球ではなく変化球だった。
理由を問うと、ダルビッシュは意図を洗い出した。
「外への真っすぐでもよかったんですけど、(ベッツが)走ってターナーの逆方向へのゴロで一、二塁間を抜けるというのが一番怖かった。となれば、一、三塁になってそこでフリーマンを迎えますから。スライダーでいくと、ベッツが走ったとしてもショートゴロとかの可能性が高いと思ったので選びました」