最終戦直前に決断「選手は驚いたと思う」 ロッテ井口前監督、電撃辞任を決断したワケ

5年間ロッテを指揮した井口資仁前監督【写真:荒川祐史】
5年間ロッテを指揮した井口資仁前監督【写真:荒川祐史】

井口資仁前監督が本音を語る月連載・最終回

 オリックスがヤクルトとの日本シリーズを制し、26年ぶりの日本一に輝いた今季のプロ野球。約7か月の長丁場が幕を下ろし、いよいよオフシーズンが本格化する。3シーズンぶりのBクラスに終わったロッテは、井口資仁前監督がシーズン最終戦のセレモニーで電撃辞任。今季はピッチングコーディネーターを務めた吉井理人氏が新監督となり、2025年には常勝軍団となるための「Vision2025」プロジェクトを継承することとなった。

 突然の辞任発表から、およそ1か月。沈黙を守っていた井口前監督が「Full-Count」の読者に向け、監督として過ごした日々、現在の心境、そして可能性溢れる選手たちへの想いを語ってくれた。

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 今季のプロ野球が終わりました。残念ながらマリーンズは3年ぶりのBクラス、2018年以来の5位に終わり、優勝という目標は達成できませんでした。昨年、一昨年とリーグ2位が続き、優勝まであと一歩に迫っていただけに、ファンの皆さんの落胆は大きかったと思います。開幕前から寄せてくださった大きな期待に応えられなかったのは、セレモニーでお伝えした通り、私の責任。志半ばでユニホームを脱ぐことになってしまいましたが、吉井新監督の下、チーム一丸となって2025プロジェクトを実現してくれると信じています。

 辞任を決めたのは、最終戦が始まる直前のこと。一部コーチにしか伝えられなかったので、選手は皆、驚いたことと思います。マリーンズでは選手として9年、監督として5年を過ごしました。2018年に監督になって以来、少しずつ順位を上げながら、今季は優勝を掴むという目標を掲げ、なんとか優勝したいとやってきましたが実現できず。結果として、レアードとマーティンに頼りきりだったことが大きく響いた年になってしまいました。

 ただ、今年は外国人2選手が出られなかった分、若い選手が少しずつ出てきてくれた。2025年に常勝軍団となるビジョンを描く中、佐々木朗希と松川虎生、そして高部(瑛斗)がシーズンを通じて1軍で戦い抜き、安田(尚憲)や山口(航輝)もある程度、形になってきたことは大きかったと思います。若手は順調に育っています。

就任当初の仕事は「選手やチームの意識を変えること」

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