「技術的なコーチングができなくても…」 BC茨城が元NHK職員を新監督に抜擢したワケ
元プロ野球選手、アイドル活動志願女性ら99人が応募
応募者99人は、元プロ野球選手、監督業のかたわらアイドル活動を志望する女性など、多士済々だったが、その中で勝ち残ったのが伊藤監督だった。色川GMは「テレビのディレクターとして発揮してきたマネジメント能力に期待しています。チームにはアスレチックトレーナー、ストレングスコーチ、投手コーチ、野手コーチといった専門分野のコーチたちがいる。ならば監督は技術的なコーチングができなくても、首脳陣を束ねるマネジメント能力に秀でいればいいというのが僕の仮説です」と説明。今後、広く野球界に影響を与える可能性のある仮説を実証するのに、伊藤氏はうってつけの人材というわけだ。
米国では、MLBが構想する“ロボット審判”、マウンドとホームプレート間の距離延長などを、まず独立リーグで試験的に導入してきた経緯がある。色川GMは「日本でも、NPBではなかなかリスクを取れない事に、独立リーグがチャレンジしていければいい」と積極果敢に新機軸を打ち出していく方針だ。
そもそも、色川GM自身の球歴がかなり異色だ。19歳で単身渡米し、米独立リーグ、プエルトリコ、メキシコなどで内野手としてプレー。その後指導者として香港代表監督、パキスタン代表監督、イラン代表監督などナショナルチームの指揮官を歴任した。今年は指導者経験ゼロの脱サラ監督の成否が注目される茨城だが、次は何を繰り出してくるのか、目を離せない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)