築き上げたのは強力ならぬ“協力打線” 弱小軍団が強くなる…少年野球指導者の導き方

メンタルリハーサルは効果あり?

 弱小チームが勝てるようになるには……? 特効薬はないと思います。この子たちに言えるのは徐々に力をつけ、自信がついてきたこと。諦めた瞬間にメダルは取れなくなる。可能性を信じてあげて、諦めないことなんじゃないかなと思います。子どもたちに考える力、チャンスを与える。手を替え、品を替えですけど、大人の向き合い方で私は勝てるチームに導けると思っています。

 ひとつ取り組んでいたこととすれば、メンタルリハーサルというものがありました。試合前日から当日、1打席目に立つ自分、試合後のことまで自分でイメージして、リハーサルをしておくのです。私なんかは「メダルを取っている自分をよーく想像しなさい」と言って、いいイメージを持たせて、ガッツポーズまでさせたこともありました。心の準備もできますし、考える力も身につきます。ヒーローインタビューの練習をしているチームもありますよね。いいと思います。

 あとはこの代はミーティングを多くやっていました。うちのチームは雨が降っていたら、練習を中止にするのではなく、ミーティングをしていました。チームで今は何を意識するのか目標を必ず確認して、意識の共有をしていました。

 少年野球は一番、野球を知らない子どもたちがやっているわけですから、ミーティングをしっかりとやるべきと思います。情報が豊富にあるため、今は技術に走りたくなる。だけど、何のためにこの練習をやってるのかを考える必要があります。チームの目的意識が欠落するのは、ミーティングが少ないからだと常々、言っています。単なる反省会で終わらずに、これから前を前を向いて、何をどうすべきかを話し合うことが大切だと思ってます。参考になればうれしいです。

○プロフィール
年中夢球(ねんじゅうむきゅう)本名・本間一平。学童野球とリトルリーグで指導者を計20年間務め、プロ野球選手も育てた。多い時には80人のメンバーがチームに所属し、神奈川県大会で優勝した経験もある。DeNA左腕・石川達也投手は教え子の1人。現在は講演や書籍を通じて、指導者や保護者に経験や考えを伝えている。

【年中夢球さんが保護者に送る動画はこちら】
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(Full-Count編集部)

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