日本なら好契約も…競争を選択 筒香嘉智、米挑戦の中で見つけた“失敗”より怖いもの

レンジャーズ傘下・筒香嘉智(写真はパイレーツ時代)【写真:Getty Images】
レンジャーズ傘下・筒香嘉智(写真はパイレーツ時代)【写真:Getty Images】

日本の複数球団からオファー受けるも、米マイナー契約を選択

「まだアメリカでやるのか」「帰ってくればいいのに」という声が聞こえてくる。2017年WBCで侍ジャパンの4番を務めたスラッガーが、31歳という脂の乗った時期にマイナーでくすぶっているのはもったいないと考える人も多いだろう。そう感じるのは、日本の球団も例外ではない。

「非常に有難いお話で、日本の球団からもオファーをいただいたのですが、僕の中ではアメリカで挑戦すると決めているので、日本でのプレーを第一に考える感覚はなかったです」

 複数球団から日本復帰の誘いも届いたが、筒香嘉智が2023年に選んだのはレンジャーズとのマイナー契約だった。

「僕の中では小さい頃からアメリカで活躍することを目標、夢としてやってきたので、なんか、そこを簡単に諦めるとかいう感覚は全くない。周りの方々には『日本に帰ってきたら、もっといい契約があった』と言っていただいていますけど、そこではなくて。僕の中ではアメリカで挑戦し続けるという軸にズレはないですし、自分の中でベストの選択ですね」

 渡米4年目を迎える今季は、招待選手としてスプリングトレーニングに臨む。メジャー契約を勝ち取るためのサバイバル。保証されているものは何一つない。思うような成績を残せていない3シーズンを含め、「苦労している」と見る向きもあるが、筒香自身の感覚は少し違う。

「日本と比べたら確かに環境は大変かもしれないけど、それがしんどいとか憂鬱だとか、そういう感覚はないんですよね。もちろん、アメリカで技術も心も変わった部分はありますし、色々と新たな発見もありました。焦りは全くないですし、この先どうなるかは分からない。こうありたいと思い描く未来から(逆算して)今を引っ張ってこられるように考えてやっています」

 憧れの舞台に到達はしたが、まだ活躍はしていない。メジャーの名だたる投手たちと名勝負を繰り広げられる打者になるためにはどうしたらいいのか。解決すべき課題は大きいが、成長のために費やす努力は苦にならない。

心身のエネルギーを満たして臨む今季、“相棒”とのタッグ復活も追い風に

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY