控え降格で反発…選手の“移籍騒動”も 少年野球日本一チームが求める保護者の役割

保護者の考えは様々…「子どもは親に左右される」

「選手はチームを移籍したいとは思っていませんでした。親の感情に子どもが振り回されたと感じている保護者もいました」

 移籍の考えを改めた保護者は「多賀少年野球クラブ以上に子どもの能力を伸ばしてくれるチームが見つからなかった」と話していたという。たとえ控えメンバーでも、レギュラーと同じ練習メニューをこなせる。週末の練習試合は1日2試合出場できる。

 中学、高校でも野球を続けることを見据えると、移籍しない選択が子どもにとってベストだと考え直したのだった。辻監督は言う。

「保護者の考え方は1つではありません。結局、子どもは親に左右されてしまいます。今、チームでは100人以上の選手を預かっています。レギュラーになりたい選手以上に、このチームで全ての選手を限界まで成長させる指導を大事にしています」

 選手の力を評価して序列を付ける成果主義に方針転換して3か月。結果的にチームを移籍する選手は出ていない。既存の仕組みを変えたり、新しい挑戦をしたりする時は、問題や衝突が起こりやすい。だが、解決すれば教訓を得られる。少年野球は子どもたちのためにあり、保護者の役割は子どものサポートにある。

(間淳 / Jun Aida)

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