9月に秋田で国際親善トーナメント開催 東北で始まったポニーリーグの“挑戦”

東北連盟が発足して2年「何をやっても歴史になる楽しさがある」

 野球経験のない仲山さんが仕事の関係で移り住んだ仙台で、ここまで野球の普及に力を注ぐのは、子どもたちの笑顔が原動力となっている。仙台ポニーを立ち上げて3年、東北連盟が発足して2年が経つが、東北ならではの課題も見えてきた。

「東北の大部分では、雪の有無にかかわらず3月末までグラウンドが使えないんですよ。だから、関東では2月末から始まる春季大会が、東北では5月に始まる。そうなると短期間で多くの大会をこなさなければならず、子どもを守るはずのポニーリーグで本末転倒なことが起きてしまいます。大会数を減らすのか、全国大会への予選の在り方を見直すのか、何らかの手は打っていかないといけない。そういった課題にも取り組む必要がありますね」

 また、東北6県の面積は日本国土の約1/3を占めるほど広大だ。さらには中央に奥羽山脈が走り、太平洋側と日本海側の行き来は簡単ではない。「秋田で大会をする時は、仙台のチームは必ず宿泊することになる。逆もまた同じです。保護者の負担をどれだけクリアできるのかが課題です」。今後は東北連盟独自のスポンサー獲得なども視野に入れながら、解決の糸口を探っていくという。

「解決するべき課題は色々ありますが、ポニーリーグだからできること、東北だからできることもある。始まったばかりの連盟だからこそ、何をやっても歴史になる楽しさもあります。加盟チームの皆さんと協力して東北のオリジナリティを出しながら、一つ一つ階段を上がっていきたいと思います」

 野球の力で東北を盛り上げたいという挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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