ヌートバーの直面する“定位置”争い 5人日替わりの外野陣…首脳陣「うれしい問題」

カージナルスのベンチコーチを務めるジョー・マクユイーング【写真:木崎英夫】
カージナルスのベンチコーチを務めるジョー・マクユイーング【写真:木崎英夫】

ヌートバーにとって「2023年のシーズンはとても重要」

 こうした事情もあり、ヌートバーがベンチスタートを強いられる日がある。ただ、他より守備、走塁、選球眼に秀でるヌートバーが定位置を獲得する日もそう遠くはないとデントン記者は予見する。

「昨季後半から猛アピールしたヌートバーは、OBP(出塁率)とOPS(出塁率+長打率)でもオニールとカールソンを上回っています。今季にそれを再現できれば、来季以降の定位置取りも現実味を帯びてくる可能性は十分にあり得ると思います」

 そして、語気を強めた。

「だからこそ、この2023年のシーズンは彼にとってとても重要なものになるんです」

 デントン記者が強調するように、ヌートバーの打撃は力強さが出てきている。2年続けてオフにシアトル郊外の野球パフォーマンス向上のための練習施設「ドライブライン・ベースボール」でバットスピードを上げる取り組みを行い、バレル率は3倍に。最大打球速度を3.5ティック上げることに成功している。「1番・右翼」で先発出場したこの日は、外角のチェンジアップをバットで拾い左前に運ぶ巧打を披露した。

 WBCで日本中の野球ファンを熱狂させたラーズ・テイラー・タツジ・ヌートバーのメジャーでの成功への物語は、こうしてまったく読み飽きないページが重なっていく。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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