藤浪晋太郎は「自分に勝てていない」 ロッテ監督時にトレード模索…井口資仁氏が分析
日米の違いはタイミングのとり方「スイングを変える必要はまったくない」
センター方向を中心に広角に打てる打者なので、力任せに引っ張ってしまっては良さが消えてしまいます。不調の長いトンネルに入ったら厄介だと思っていたところで、歯止めを掛けたのが10日(同11日)レイズ戦の左前打でした。左中間方向へ力強くいい打球を打てる打者なので、ああいう当たりが出ると復調のきっかけになるはずです。
そして、22日(同23日)の2安打も大きかった。第1打席に打った三塁へのボテボテの内野安打に、第4打席の中堅手前に落ちる安打。ああいう当たりが出始めると、気持ちが楽になるでしょう。思った以上に早く復調の兆しが見えたのは、彼が十分な実力の持ち主である証拠とも言えます。
米メディアでも「大振りをしている」と評論されていたようですが、レッドソックスは1番ベルドゥーゴが絶好調で、2番デバースはすでに8本塁打。3番ターナーも豪快なスイングが魅力の好打者なので、自分も長打が欲しくなってフルスイングが多くなってしまうも無理はありません。
移籍1年目のこの時期は、対戦する投手はほぼ初見。さらにはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での活躍もあり、相手チームのマークは厳しい。思うような打撃ができないこともあるでしょうが、勝負の駆け引きはシーズンを通して行ったり来たりするところ。強引にいくと相手の思うツボなので、今までやってきた打撃をそのまま続ければいいと思います。
日本とメジャーで大きく変わるのは、タイミングのとり方です。正尚は自分のスイングを変える必要はまったくない。完璧に近い打者だと思います。監督時代には対戦相手として何度も痛い目に遭いました(苦笑)。メジャーでは全体的に球速が少し速い分、タイミングが合わず、自分が思うほどしっかり真っ直ぐを弾き返せない部分があるのでしょう。試合を重ね、体と目が慣れてくれば、今まで通りドッシリとした感じを持って打席に立つことができるはずです。