選手だけではない…野球に携わる“仕事”の数々 DeNAが中学生に提供した「キッカケ」
DeNAが中学生対象の「職業体験プログラム ファーム運営編」を初開催
DeNAは今夏、中学生を対象にした「横浜DeNAベイスターズ職業体験プログラム ファーム運営編」を初開催した。3日間にわたって、試合運営やスポーツビジネスを体系的に学び、実際に考えたイベントをファームの試合で実施。その目的には、球団を支える様々な仕事を知ることで将来に役立つ機会へとつなげることがあった。
参加した30人の中学生にとって、忘れられない夏の思い出となったことだろう。1日目は「ベイスターズを知ろう! 野球興行とは? 試合運営とは?」と題して、横須賀市内の2軍施設「DOCK」の見学からスタートした。
選手が普段食事をしている食堂では、加々美忠彦料理長の話に耳を傾けた。「寮生の中では、体をつくるという意味で小深田(大地)選手が最もよく食べる選手です」という、ここでしか聞けない話に聞き入った。
室内練習場では、2軍調整中だったネフタリ・ソト内野手の迫力満点の打撃練習を間近で見たり、ブルペンを見学して「バウアーのYouTubeに出ている場所だ」と目を輝かせた。ランドリーでは今永昇太投手が実際に球宴で着用したユニホームを触るという機会も。さらに横須賀スタジアムでは選手が実際に練習中に飲むドリンクを飲んだりと、激レアな体験に興奮しっぱなしだった。
その後の講義では、球団側が「株式会社横浜DeNAベイスターズ」という会社がどんな仕事をしているかについて説明。19部署約200人が支えていることを伝えた。試合を応援しているだけではなかなか気付かないような“仕事”の数々に、中学生たちは熱心にメモを取っていた。
レッドカーペットで選手を出迎え…ヒーローインタビューの担当も
この経験を生かし、2日目は「お客様に楽しんでもらう野球興行を考えよう!」として座学を実施。3日目に「野球運営の体験!」として実際にファームの試合運営を体験した。レッドカーペットで選手を出迎え、ヒーローインタビューを担当するなど、中学生のアイデアが詰まった試合運営となった。
これまで球団は大人向けビジネススクールや、大学生や小学生に企画を考えてもらうことは実施していた。それだけに「中学生にも何かやりたいと思っていました。中学生だったらファームで自由に企画してもらって、それを実現してもらえるのではないかということで、企画を始めました」と担当者は説明する。
「今後、高校大学と進路を決めていくことになると思います。もちろん野球選手を目指している子もいると思いますが、そうでなくても野球を好きな子はたくさんいます。そういう子たちにスポーツビジネスとか、球団を支えている色々な仕事があるということを知ってもらって、進路を考えるキッカケになるといいなと思っています」
将来へ無限の可能性がある年頃。それは、今後たくさんの“選択”が待つということだ。少しでもその助けとなる3日間となったことを、球団は願っている。
(町田利衣 / Rie Machida)
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