秀才軍団・京大が説く「弱者が強者に勝つ方法」 プロ経験監督と野球未経験者の“融合”

京都大・近田怜王監督【写真:橋本健吾】
京都大・近田怜王監督【写真:橋本健吾】

関西学生野球春季リーグ戦の開幕カードでは京大が2勝1敗で関大を下し3年ぶりに勝ち点

 弱者が強者に勝つためには何が必要なのか。その姿をまざまざと見せつけられたのは関西学生野球・春季リーグ戦の開幕カードだった。秀才軍団の京大が昨秋の王者・関大を2勝1敗で破り2019年秋以来となる3年ぶりに勝ち点を獲得。元ソフトバンク・近田怜王新監督の柔軟な思考と、データ分析班による快勝劇だった。

 一昔前までは万年最下位のレッテルを貼られていた京大。全国の舞台を経験した“甲子園組”を推薦で獲得する関大、関西大、立命大、同社大、近大の壁は大きかった。

 2017年からコーチ、助監督を経て昨年秋から監督に就任した近田監督は「同じ練習をしても勝てない。勉強もあるので練習時間も短い。じゃあその中で何ができるか、どうしたら勝てるのか。色々なことを取り入れてチームを変えようと思った」と、大幅なチーム改革に着手した。

 大量得点が見込めないチームに必要なものは何か――。いかに失点を少なくし守り勝つことができるかを考えた。ボールの回転軸や回転数を計測する「ラプソード」で科学的に投球を分析、さらにパドレスのダルビッシュ有投手も認める「プロウト(プロの素人)」と呼ばれるお股ニキ氏ら、外部招聘も積極的に行い「打つ、投げる」だけじゃない練習方法を取り入れた。

 さらに野球未経験だがデータに特化した三原大知(4年)にはアナライザーの役職を付け投球分析を任せた。京大史上最速となる152キロをマークし今秋のドラフト候補にも名前が上がる右腕・水口創太(4年)ばかりに目がいくが、チームの強みはそれだけじゃない。

勝負の第3戦目では正捕手の愛沢祐亮(4年)がリーグ戦初登板初先発で4回無失点

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY