首位打者争う巨人26歳が“覚醒”のワケ 打率.201からの逆襲…名将が気付いた変化「驚いた」

巨人・泉口友汰【写真:矢口亨】
巨人・泉口友汰【写真:矢口亨】

6季連続優勝を期す“名門”青学大が2連勝の好発進

 東都大学野球秋季1部リーグは15日、リーグ記録に並ぶ6季連続優勝を目指す青学大が国学院大と対戦。2-0で2連勝を飾り勝ち点1とした。

 青学大といえば、レッドソックス・吉田正尚外野手を筆頭に多くの選手をプロの世界に送り出している“名門校”である。昨年はロッテ・西川史礁外野手、広島・佐々木泰内野手の2人をドラフト1位で輩出している。

 巨人・泉口友汰内野手もその1人だ。大阪桐蔭高から青学大、NTT西日本を経て2023年ドラフト4位で巨人に入団。ルーキーイヤーは66試合に出場し、打率.201と不本意な結果に終わったが、2年目の今季は攻守で存在感を発揮。首位打者争いを演じるなど、巨人に欠かせない存在に成長した。

 大学2年時から3年間、泉口を指導した安藤寧則監督は、今季の躍進に目を細めながらも、全く驚いた様子はない。むしろ納得しているようだった。

巨人・泉口友汰【写真:小林靖】
巨人・泉口友汰【写真:小林靖】

恩師も驚愕した打撃スタイルの“変化”

 安藤監督は泉口について「大学時代から対応力、順応力には優れていましたし、何より負けず嫌いでした。練習には無駄がなかったですね」と振り返る。

 そんな恩師でさえ、泉口のある“変化”には驚かされたという。「(当時は)バットを長く持っていたのですが、今年からバットを短く持っていたので、驚きましたね」。確かに動画で見れば一目瞭然、プロ1年目まではバットを長く持つ構えであった。

 打撃の型を変えることは、1度積み上げて来たものを“完全に壊す”という程の怖さがある。勇気が必要な挑戦だっただけに、踏み切った理由は何だったのだろうか。

 泉口は安藤監督にこう語ったという。「一流の投手を相手にするには短く持った方が振り抜きが良いんです」。プロの世界で生きるため、泉口が試行錯誤の末に見出した“活路”だった。「活躍の理由はあります」。安藤監督の言葉の通り、躍進は奇跡などではなく、紛れもない努力の証。泉口のキャリアはまだ始まったばかり。今後の活躍から、ますます目が離せない。

(井上怜音/ Reo Inoue)

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