DeNA2年目左腕・櫻井周斗の成長を促す圧倒的な“吸収力” 「毎日が勉強」
日大三高では二刀流として活躍も「プロに行くなら投手で行きたい」
炎天の下、今年もまた甲子園を舞台に、高校球児たちが真剣勝負を繰り広げている。今から2年前、DeNA左腕の櫻井周斗は強豪・日大三高で最後の夏を迎えていた。激戦の西東京大会は、清宮幸太郎(日本ハム)の早稲田実業高と日大三高が優勝候補と目されていたが、準々決勝で東海大菅生高にまさかの完封負け。櫻井は「レベルがすごく高かったですし、どこが出てもおかしくない状況でした。でも、決勝にも行けず負けてしまったので不完全燃焼というか……」と言葉を濁した。
二刀流として活躍した高校時代。投手としては、2年秋の秋季東京都高等学校野球大会の決勝で、早稲田実業高の4番・清宮を5打席連続三振に斬り、“清宮キラー”とも呼ばれた。3年春の甲子園では、初戦の履正社高戦で4番・安田尚憲(ロッテ)を3打席連続三振。切れのいい縦に曲がるスライダーは高評価を得た。
野手としては主に外野を守り、高校通算32本塁打のパワーが魅力の左打者で、2017年に出場したU-18ワールドカップでは、清宮、安田に続く5番打者として、世界を相手に打率.333の数字を残した。
だが、2017年のドラフト会議でDeNAから5位指名を受けると、迷うことなく「投手」を選んだ。
「僕はプロに行くなら投手で行きたい。そう自分で決めていたので、迷いはなかったですね。もちろんバッティングは好きですし、ピッチングも好き。高校日本代表では、確かに打ちはしましたけど、清宮とか安田とか中村(奨成)とかすごいメンバーがいて、僕はそのレベルまで全然達していないなと思いました。結果、プロに入って投手をやってますけど、投手もレベルが高い。二刀流となると、また全然別な話になるので(笑)」
大学進学も選択肢にはあったが、「プロに行けるなら行けるうちに行った方がいいし、早く高いレベルで野球をやりたい」。そう思って飛び込んだプロの世界は、厳しくも成長と学びのヒントがそこかしこに溢れる世界だった。
「自分のベストボールじゃないと、打者は振ってくれないし、打ち取れない。はっきりレベルが違ったし、やっぱり甘くないなという中で、自分の武器も課題も見えたシーズンだったと思います」