広島の大苦戦の要因どこに? 3連覇の黄金期から激変した“逆転できないカープ”
リーグ2位の平均得点を誇る一方で平均失点がリーグワースト2位
昨季0.5ゲーム差でクライマックスシリーズ進出を逃し、今季は佐々岡真司新監督を迎えて捲土重来を期した広島。その広島の2020年のペナントレース前半戦においてチームがどの時期にどのような波に乗れたかを、得点と失点の移動平均を使って検証してみる。(数字、成績は9月17日現在)
移動平均とは大きく変動する時系列データの大まかな傾向を読み取るための統計指標。グラフでは9試合ごとの得点と失点の移動平均の推移を折れ線で示し、
得点>失点の期間はレッドゾーン、
失点>得点の期間はブルーゾーン
として表している。
1試合平均得点4.39はリーグ2位だが、平均失点がリーグワースト2位の4.73で、得失点差がマイナスのチーム状況を物語る推移グラフとなっている。また最大連勝3、最大連敗4と大きく勝ち越すことができないもどかしい状況でもある。
2016年からリーグ3連覇を果たした時分は「逆転の広島」と呼ばれるほど、1シーズンあたり40試合以上で逆転勝ちを収めていたのだが、今季の逆転勝ちはわずかに7回。これは12球団で最も少ない数となっている。
逆に逆転負けが12回、さらには先制した後に逆転されてしまった場合、そこから再逆転で勝利した試合が12球団で唯一ない。その象徴とも言えるデータがある。初回の失点確率が33.8%でリーグワースト2位、さらには9回の失点確率がそれを上回る33.9%と、投手陣が大事な場面で踏ん張り切れてない様子が数字から伺える。