川崎宗則は「モチベーション引き出す天才」 本拠地で二遊間復活、西岡剛が語った“効果”
「1番・遊撃」の川崎、「2番・二塁」の西岡…WBC決勝と同じオーダー
ルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスの川崎宗則内野手と西岡剛内野手が、4日の神奈川フューチャードリームス戦で、本拠地で初めて二遊間を組んだ。「1番・遊撃」の川崎、「2番・二塁」の西岡は2006年WBC決勝の再現で、2人は「15歳若返った」と感慨に浸った。
事前に2人のスタメンが発表されていたこともあり、この日の観衆は今季最多1911人。ともに打席では無安打に終わったが、センターラインで見せる存在感は際立っていた。川崎は機を見て何度もマウンドに行き、投手を鼓舞。「どんな球がいってもいい。投げてくれてありがとう」と声をかけ続けた。
試合は0-1で1点を追う9回に劇的な幕切れを迎えた。1死からプロ注目の斎藤尊志が7球カットするなど13球粘って四球を選んだ後、若松聖覇が右翼へのサヨナラアーチ。西岡は試合後「ヒーローは斎藤尊志君。あの(球に食らいついて何度もカットする)プレーを見て、ベンチ全体が熱くなった」と称えた。
NPB復帰を目指して昨季から栃木でプレーする西岡と、今季無所属で実戦機会を求めて栃木に加入した川崎。世界一を経験した名コンビは、独立リーグの舞台で“再開”の日々を楽しむ。川崎は試合後、相棒の西岡を隣にしてこう言った。
「2006年のWBC大会を思い出しました。彼が21歳、僕が23歳。あれから15年経ったんだなと思った。15歳若返りました。集中して、声をかけあって、精いっぱいやりました」
その言葉に西岡も大きく頷き、川崎の偉大さを感じる。「一緒の空間にいるということ。人間は結局メンタルであったり、マインドであったり、川崎さんはモチベーションを引き出す天才」。シーズンは残りわずか。つかの間の復活を、目一杯堪能していく。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)