【緊急連載(上)】東大はなぜ勝てたのか 94連敗を止めた攻撃的野球
1694日ぶりの白星を手にした秀才軍団、攻撃野球の象徴は2つの「バスターエンドラン」
秀才軍団が、ついに悲願の1勝――。
東京六大学野球の東大が23日の法大戦に勝利した。2度のリードを許しながら追いつき、最後は延長10回に勝ち越し。2010年秋から続いていたリーグワースト記録の連敗を「94」でストップさせた。実に1694日ぶりに手にした1勝。その背景に何があったのか。3回にわたって紹介する。
歴史的1勝から一夜明けた24日、スポーツ各紙の一面には「東大、勝った」の文字が派手に躍っていた。それほどまでに、東大の勝利は世の中の関心の的になっていた。
この試合、東大は驚くほど攻撃的野球を貫いた。その象徴が2つの「バスターエンドラン」だった。
2-1の7回、3失点を喫して試合をひっくり返され、2点のリードを許した。その直後の8回。救援でマウンドに上がった法大の川名健太郎が先頭から連続四死球で無死一、二塁とした。
ここで、東大は1度目のエンドランを試みた。3番・山本克志がバットを引いて思い切り叩きつけると、遊ゴロになったが、走者はそれぞれ進塁。直後に犠飛と適時打が飛び出し、2点差をすぐに追いついた。