高校よりも大学 米国では大学スポーツが「狂気」を生み出す
大学全米No.1を決める「カレッジ・ワールドシリーズ」は全米中継
この大会は州ではなく、各地域のトーナメントを勝ち抜いた大学、さらにはそのシーズンの成績や対戦相手の強弱をもとに組織委員会が定めた評価点数で残りの大学を選定し、合計68チームが出場する。対戦は甲子園のように完全なる抽選ではなく、シーズン中の成績が反映されたシードで決められる。全チームが平等な形でスタートしないからこそのドラマが生まれるのは、この大会の特徴でもある。規模が小さい大学が勝ち進むと、そのチームはたちまちシンデレラチームとして、全米で注目を浴びる。
大学ではバスケットボールだけではなく、野球でもカレッジ・ワールドシリーズと呼ばれる大会が毎年開催される。毎年6月にネブラスカ州のオマハで開催され、今年も6月18~29日まで熱戦が繰り広げられた。カレッジ・ワールドシリーズもバスケットボールのマーチ・マッドネス同様、スポーツ専用チャンネルで全米中継される。高校時代には甲子園のような国内全体が注目する大会は少ないものの、大学レベルではプロスポーツに近い規模の大会がいくつか存在する。
米国の高校では州で一番を決めることは大きな意味を持ち、国内全体を熱狂させるものはない。スポーツ大国である米国を見ても、高校生の大会で国全体を熱狂させる日本の「夏の風物詩」・甲子園は、かなり異質、そして際立つ存在であると言えるだろう。
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(記事提供:パ・リーグ インサイト)
「パ・リーグ インサイト」新川諒●文