陽岱鋼を残すのみ…例年以上に活発化のFA戦線、それぞれの決断の理由とは
岸は「故郷への思い」、糸井は「チャレンジ」、栗山は唯一残留
○西武・岸孝之投手(楽天移籍)
投手では西武・岸孝之も移籍を選択した。涌井(現ロッテ)の移籍以降、西武のエースとして活躍し、入団10年で通算103勝をマーク。球団にとっても絶対的に必要な戦力だったが、岸は「地元に恩返しをしたいなという強い思いがありました」と故郷・宮城への思いをもって楽天への移籍を決断。星野仙一球団副会長の熱烈なラブコールも実り、4年総額16億円とみられる大型契約で杜の都に凱旋する。
○オリックス・糸井嘉男外野手(阪神移籍)
野手ではオリックス・糸井嘉男が移籍の道を選んだ。日本ハムからトレードで13年にオリックス入りし、持ち前の打撃力に加えて35を迎えた今季は53盗塁で、史上最年長での盗塁王を獲得。「自分自身ももっと上目指したい気持ちと、それに変化というのが必要やったのかなと思ってチャレンジしようと(思った)」と移籍を決断し、岸同様に4年総額18億円とみられる大型契約で阪神入りを決めた。阪神は就任1年目・金本監督の直接出馬で大物を口説き落とした。
○西武・栗山巧外野手(西武残留)
唯一、FA宣言しながら残留したのが西武・栗山巧だ。今季は通算1500安打を達成し、プロ15年目で初のオールスターにも出場。ベストナインにも3度選ばれたベテランは権利を行使し、移籍を選択に入れた上で複数回にわたる球団との交渉の上で『これからもライオンズのユニフォームを着て野球をやりたい』という思いの、最高の意思表示になるのかなと思いました」と残留を決断。FA権を再取得できるのは37歳となる4年後となり、「生涯・ライオンズ」を覚悟で球団の顔としてチームをけん引していく。