特定球団に突出した成績残した選手も…パ各球団の「キラー」を探る

ソフトバンクに対して活躍した選手は…

【福岡ソフトバンクキラー】
・北海道日本ハム・高梨投手
対戦成績:8試合3勝0敗 29回、22奪三振 防御率1.86
・オリックス・西投手
対戦成績:7試合4勝2敗 48回、29奪三振 防御率2.06
・北海道日本ハム・大谷選手
対戦成績:21試合73打数30安打9本塁打16打点 打率.411

 昨季パ・リーグ新人王に輝いた日本ハムの高梨は、中継ぎとしてソフトバンク戦4試合に登板。大谷が先発した4月1日の試合では、チームがサヨナラ勝利を収め、勝利投手に。その後も安定して結果を残し、シーズンの中盤から先発に配置転換されたが、その後も効率的に2勝を挙げた。

 オリックスの西は、2013年ごろから西武戦を苦手としている傾向があり、昨季も2試合10回1/3を投げて防御率8.71。しかし、最も多く登板したソフトバンク戦では7試合48回を投げて防御率2.06と優秀な成績を残した。西は、2012年にソフトバンクの強力打線を相手に無安打投球を達成しており、相性が良い相手であると言えるだろう。

 日本ハムの大谷は昨季、投手としてもソフトバンク戦で4試合に先発し、2勝無敗の成績。日本最速となる165キロを叩き出した10月16日のCSファイナルステージ第5戦での快投は記憶に新しい。しかし大谷は、投手としての活躍以上に打者としてソフトバンクの脅威となった。5打数以上対戦したソフトバンクの投手7人の中で、大谷を打率.250以下に抑え込んだのは、バンデンハークただ一人だけだ。放った本塁打は9本、打率は驚異の.411。「パ・リーグ制覇のために、ソフトバンクとの直接対決だけは落とせない」という、大谷選手の明確な意志がうかがえるような数字である。


「鷹キラー」襲名!! F大谷 ホークス戦で計8HR!!【動画:パ・リーグTV】

 以上、昨季のパ・リーグの「各球団キラー」を紹介した。キラーというだけあって、当然特定のチームを得意としている選手たちを挙げたが、その選手たち自身にも、苦手な球団、相性の悪い相手というものが存在している、ということも見えてきた。もちろん、どのチームを相手にしても、安定した成績を残せてこそ一流選手だという意見もあるだろう。しかしたとえ相性の悪いチームがあっても、そのぶん、相性の良いチームから勝ちを取りこぼさず、結果を残す。それも、一流だからこそできることだ。

「相性」というのは不思議なものだ。「その打者または投手を相手にすると、調子が良くてもどうにも打たれる。抑えられる。タイミングが合わない。似たようなタイプで、成績も拮抗している別の選手を相手にしても、そこまで反撃を封じられることはないのに」。そういう感覚を、まさに「相性」というのだろう。順位は関係なく、特定の相手チームに極端な強さを発揮し、対戦チームごとの成績の差が大きく開く原因というものは、突き詰めれば技術的な問題ですらないのかもしれない。

 しかし、プロはたった1年でそれを克服してみせることもあるし、逆に克服させまいと、さらなる研鑽を積むこともできる。今回紹介したのは、あくまでも「2016年のチーム同士の相性」、つまり「過去の各球団キラー」である。今季からは、これらのデータをもとにした新たな展開が望めるだろう。昨季とはどのような選手間の意識の変化、数字の変化が見られるのか、新入団選手の台頭も含めて、楽しみに待ちたい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

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