西武・栗山が得た「着想」 「リアル野球盤」に込める思いとは

「何かすごくいい着想を得た気がする」―

 栗山は毎年1月にも、少年野球のイベントを開催している。野茂英雄氏と合同で行う「NOMO栗山オールスターゲーム」だ。栗山選抜と野茂選抜が対戦するエキシビジョンマッチだが、子どもたちは本気で勝ちを目指す。栗山はその真剣さを生かして、エキシビジョンならではの経験をさせたいと考えるようになった。

「子どもたちに自分たちの中から監督を選ばせる。そして、子ども同士で勝つための作戦を考えさせようかなと」

 自主性をはぐくむためのアイデア。大会にかかわるスタッフも「いずれ形にしましょう」と賛同した。

 だが栗山は、周囲の賛辞も聞こえない様子で「いま、オレは何かすごくいい着想を得た気がする」と考えをめぐらせていた。

「もしかしたらこれって、普段は野球をしてない子も、野球の輪に取り込むチャンスになるかもしれないのかなと」

 運動が得意ではない少年。男子と同じチームに入れない少女。さらには、病気や障がいが理由で車椅子生活を余儀なくされているような児童。そういった中にも、野球が好きで、野球を突き詰めて考えている子どもはいる。

 そういった子どもたちに“参謀”として、ベンチで作戦を立ててもらう機会をつくったら、野球の輪はさらに広がるのではないか。

「リアル野球盤」が秘める可能性

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