メジャー500登板視野、田澤純一が挑む米10年目の復活「もう一踏ん張りしたい」
目から鱗が落ちる思い、「改めてトレーニング方法を見つめ直すいい機会だった」
シーズン中もケアやトレーニングをサポートしてくれている舩津貢トレーナー、井脇毅トレーナーの紹介で訪れた筑波大学では、これまで肩周りの筋肉が“代償運動”を行っていた可能性を指摘されたという。代償運動とは、本来使うべき筋肉を使って動作をするのではなく、隣り合ったり拮抗したりする別の筋肉を使って動作を行うことを指す。つまり、本来使うべき筋肉をしっかり使えるようになれば、よりスムーズで体に負担の少ない自然な動きができるというわけだ。筋肉の使い方により高い意識を置いたトレーニングは、まず自重をコントロールすることから始まった。「ただ重たい物(ウエイト)を持つのは好きだったんで(笑)」と話す右腕は、このアプローチに目から鱗が落ちる思いがしたようだ。
「重たいウエイトを上げる以前に、自重(自分自身の重さ)をしっかりコントロールできていないことを指摘されました。自分なりに頑張っているつもりだったんですけど、考えてみれば確かにただウエイトを持ち上げているだけという感じのところもあった。その時点で、鍛えなければいけない筋肉ではなくて、違う筋肉を使ってウエイトを持ち上げていた部分があったみたいです。このオフは、まずは自重をコントロールするトレーニングから始めて、1月に入ってから徐々にウエイトを持ち上げるようになりました。
オフに病院で肩の状態をチェックしてもらった時、怪我として対処するべきか、トレーニングで補えるのかを診断してもらったんですけど、トレーニングで補えるという結果をいただいた。年を取ったこともありますし(笑)、改めてトレーニング方法を見つめ直すいい機会だったのかな、と。筋肉の使い方や作用を教えていただくことも面白いですし、使うべき筋肉をもう少しスムーズに使えたら、怪我なく1年過ごせるのかなとも思います」