組織の枠を超えて野球界改革へ「Cambioベースボール・ミーティング」開催

「Cambio(カンビオ)ベースボール・ミーティング2018」の様子【写真:広尾晃】
「Cambio(カンビオ)ベースボール・ミーティング2018」の様子【写真:広尾晃】

若年層の野球離れに危機感を抱く識者が会合

 4月17日、東京都内で「Cambio(カンビオ)ベースボール・ミーティング2018」が行われた。若年層を中心に「野球離れ」が顕在化する中、日本の野球界を変革しようという取り組みだ。中心となって呼びかけたのは、プロスペクト株式会社と少年硬式野球チーム堺ビッグボーイズを運営するNPO法人BBフューチャーだ。

 昨年4月20日に続いて行われた第2回のミーティングには、プロ野球、学生野球、少年野球、軟式野球の関係者、整形外科医、プロ野球OB、メディア関係者など27人が参加した。

 ミーティングでは、各分野の代表者がこの1年の活動報告を行った。

 まずは、プロスペクト株式会社および堺ビッグボーイズからは、全国で指導者や整形外科医のセミナーを行うとともに、海外(特にドミニカ共和国)と日本の野球指導の違い、育成システムの違いに関するセミナーを実施したこと、今年1月にはDeNAベイスターズ筒香嘉智選手による少年野球変革に向けた発信が行われたことなどが紹介された。

 このあと、野球界の現状把握として、高校野球と大学野球を除く野球の各分野では、少子化の6倍のスピードで野球人口が減少していること、サッカー界が一枚岩の組織で機動的に活動できるのに対し、野球界ではいろいろな組織が乱立し、統一行動が難しいことなどが紹介された。この状況では、従来の「少年野球教室」ではなく「野球遊び」によって、野球を知らない子供たちに野球型スポーツを体験させる普及活動が主流になる必要があると説明された。

 さらに、慶友整形外科病院慶友スポーツ医学センター長の古島弘三医師から、少年野球による子供の肩や肘の障害について報告があった。古島医師は今年、ドミニカ共和国で少年野球選手の肩や肘のチェックも行ったが、ドミニカの子供たちの肘の障害は、日本の野球少年の数分の1にとどまっており、違いが生まれた要因として練習時間の短さ(最大でも3時間)、投手の投球数(1人の投手は1週間に4イニングほど)、指導者や保護者の喫煙率の違い(ドミニカ共和国はほぼ0%)があげられた。

ボーイズリーグの東日本ブロックからは投球数調査の報告

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