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女子日本代表・六角が明かすクラブチームでプレーする理由 女子野球の課題とは?

今や野球は男女共に楽しめるスポーツとなった。女子野球の日本代表「マドンナジャパン」は昨年開催されたワールドカップで6連覇を達成するなど、世界でも無類の強さを見せている。それでも女子野球という競技について考えた時、国内外での普及・発展は長年の課題だ。

世界にも広めたい競技普及の動き

 女子野球界の課題でもある「競技普及」は日本国内だけではなく、世界全体にも目が向けられている。現在、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が発表している世界ランキングでは、日本やカナダ、台湾など計14の国と地域がポイントを得ている。たとえランキング外でも女子が野球を楽しむ国や地域はあり、六角は昨年12月初旬、スリランカに足を運んだ。

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「昨年12月、外務省が中心となって行っているスポーツ振興事業の一環でスリランカに行きました。他にも山田博子さん(全日本野球協会理事)や志村亜貴子さん(マドンナジャパンコーチ)、中島梨紗さん(元埼玉アストライア監督)が参加して野球教室をしました」

 野球教室開催にあたり、スリランカでは事前に野球に興味がある人を募集した。その結果、首都コロンボ、そしてスリランカ中部に位置するキャンディの2都市で、参加者の合計はなんと80人に上った。2018年4月、国内初の女子野球大会「スリランカ女子野球選手権」が開催されており、現地では盛り上がりを見せている。スリランカ女子野球は、主に軍隊と学生チームが中心だ。野球教室に参加した選手たちは広角に打ち分ける打撃や、捕球から送球するまでの一連の動作など、世界トップクラスの技術に釘付けになり、1つでも自分のものにしようと熱心な姿を見せたという。

 スリランカでは驚きの出来事もあったという。

「野球教室を見に来ていたスリランカの学校の先生が興味を持ってくれて『明日、学校で野球部を作る』と宣言したんです。そうしたら、次の日、本当に創部したそうなんです」

 日本が目指す「競技普及」が、思いがけないスピードで形となった。

 日本で行われる野球教室は、一般的に1度きりの開催で教えた選手とはその場限りの交流に終わるケースが多いが、スリランカから帰国後1か月が経過した今でも、六角の元には交流した選手からプレー動画が送られてくるという。

「野球教室で日本の練習方法を見せることは、参加者には強さの秘密を知る機会となります。それがより広がれば、スリランカをはじめ、海外の競技レベル向上につながると思います。こうして送られてくる動画を見ると技術的に上手くなっていますし、情報交換をすることでお互いに成長できるので嬉しいですね」と、六角は海外の選手と交流する喜びを語った。今回のスリランカに加え、過去にはニュージーランドや香港でも野球教室に参加。今後も海外の女子野球発展のために尽力していく。

「日本の練習を見せる」――六角が語ったこの言葉は、日本には強さだけではなく、世界の女子野球界を牽引していく役割があると訴えているようにも聞こえる。実際に2017年9月に香港で開催された「第1回BFA女子野球アジアカップ」では、試合前後にパキスタンやインドの選手たちに日本の技術を教えるなどの交流も行われていた。日本国内での競技発展のための活動はもちろんのこと、同時に世界にも貢献していく必要がある。やるべきことは多いが、その分伸びしろがある。今後の女子野球界全体の発展に期待したい。

(豊川遼 / Ryo Toyokawa)

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