部員4人から全国区を目指し…公立の室戸高女子硬式野球部の奮闘
四国IL高知がサポート、元G駒田氏が特別顧問で指導
昨年12月21日にはプロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドックスが室戸高校女子野球部を指導、支援することが発表になり、元巨人の駒田徳広監督が特別顧問に就任。直接、指導を受けられるなどそのほかにも多くの支援を受けられることになった。活動の幅はどんどん広がっている。
2018年4月より同校の顧問を務めている横田尊氏は「男子と女子では考え方の違いはある。体の構造も異なるため、それらを考慮した指導をしたい」と野球技術を伸ばしていく考えを明かした。廣瀬法民校長は「第一に、校訓である“真・善・美”の調和のとれたチームづくりを目指している。そして、文武両道を全うする。それは、これまでの進学率などの実績にも表れている。さらに、この室戸の地で、野球だけではなく、将来的に社会で生きる人を育てている」と語るように、女子野球を通じて、技術力と人間力の両面を育てていく基本理念がうかがえる。室戸女子野球部の選手たちは、充実した野球環境の中で、野球のみならず、勉学にも励んでいる寮生活では、日によって料理も自分たちで調理しまかなっている。高知県内大手スーパー「室戸ショッピングセンター」とのコラボ弁当の企画、開発もこれらの経験から生まれている。
現在では、四国内でも2018年に創部が発表された新田高校(愛媛)や2019年4月から始動する高知中央高校など、徐々に足並みが揃ってきた。現在、全国高等学校女子硬式野球連盟加盟校は、室戸高校と広島県立佐伯高校を除いては、全て私立学校である。私立学校であれば、スポーツクラスや豊富な予算などが組まれていることも多いが、費用がかかってしまう。室戸高校は県立学校ながら、充実なグラウンド設備と寮施設に加え、非常に協力的な室戸市の姿勢もうかがえる。
ただ、現在の部員数は2年生が6人、1年生が4人とギリギリの人数で活動している。新入部員の入部は学校としても必須であり、入部を希望する選手も、学年が上がればレギュラーになる確率は限りなく高い。公立で地元の支援を大きく受けられる室戸高校は全国からの野球女子を待っている。
(大森雄貴 / Yuki Omori)