大きく変わったビジネスモデル 15年目を迎える四国アイランドリーグplus

日本野球のすそ野として、重要な役割を果たしている四国アイランドリーグplus

 2008年には福岡と長崎に2球団が誕生し、6球団体制となる。リーグの名称も四国・九州アイランドリーグとなったが、福岡は2009年限りで撤退。2010年には長崎が撤退。2011年には三重が新加入したが、1年で撤退した。しかし以後も加盟をめざす準加盟球団があり、リーグの名称は2012年以降、四国アイランドリーグplusとなっている。

 2014年オフ、四国アイランドリーグplusは、設立10周年を迎えた。それまで、各球団は経営難に陥るとJBLJに支援を仰いできたが、以後、完全に独立採算制に移行した。また翌2015年から北米遠征選抜チーム「四国アイランドリーグplus ALLSTARS」が、米独立リーグと交流戦を行うこととなった。そのために6月はリーグ戦が中断された。北米遠征は2016年まで、続けられた。

 昨年まで、四国アイランドリーグplusからNPBには、52人の選手がドラフト、育成ドラフト指名を経て移籍している。2011年には7人の選手がNPB入りしたが、昨年は1人だけ。球団数を増やしているルートインBCリーグに選手が集まるようになり、NPB選手の市場としては、やや陰りが見えている。

 当初の独立リーグのビジネスモデルは、大きく変わっている。入場料収入やグッズ売り上げは、収入の数パーセント。ドラフト指名も少ないので、NPBへの移籍に伴う収入もほとんどない。収入の大部分は、地元企業のスポンサー収入となっている。それも大企業ではなく、十万円前後の少額のスポンサーフィーを支払う中小企業が中心だ。どの球団にも100以上のスポンサーがついている。

 このため、各球団は地元に密着し、野球教室や施設の訪問、清掃活動など様々な地域貢献活動を行っている。当初は、おらが町の球団を応援するためにスポンサードしていた地元企業だが、人材難とともに、元選手を社員として受け入れたいというニーズが高まってきた。

 こうしたニーズに応えるために、各球団は選手が現役の間から、名刺の渡し方から始まるビジネスマナーの教育をするようになった。また、リーグもシーズン中も選手が、野球の傍ら企業で働くことができるようにルールを改正した。

 15年目を迎える四国アイランドリーグplusは、設立当初からは大きく変化している。しかしNPBを頂点とする日本野球のすそ野として、重要な役割を果たしている。野球界やファンも独立リーグの存在意義を理解するようになった。
現時点でも経営的に厳しい球団があるが、4球団が健全に運営されることは、野球界全体にとっても重要なことだといえるだろう。

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