主力打者の左右投手別相性、強力打線の西武は右も左も関係なし パ6球団の数字を分析(前編)
日本ハムは右投手を得意、楽天は相性の差は少ない
以上の結果から、この3チームにおいては主力打者の左右別成績とチーム全体の左右別相性は、ある程度リンクしていたと考えられる。ただ、日本ハムと楽天は同じく右投手を得意にしているが、選手個々の成績を見ていくと、そこには両チーム間でやや趣の異なる理由が示されていた。
日本ハムは打席の左右を問わず、西川以外の主力が総じて右投手を得意としていた。右打者の中田と大田が左打者以上に右投手を打ち込み、逆に左腕には苦しめられていたのが特徴的だ。打数の少ない選手の中には、左腕を得意としている選手と苦手にしている選手がそれぞれ一定数存在しており、主力の成績がチーム全体の相性に強く影響しているといえそうだ。
一方、楽天は茂木とブラッシュが左腕を得意としており、日本ハムほど主力打者の相性は極端ではない。ただ、下水流と辰己を除くと、打数の少ない1軍選手たちがおしなべて左腕に苦しめられていたことが、チーム全体の相性にも影響したと考えられる。このように、同じような傾向を示しているチームであっても、細部に目を向けるとまた違った事情が見えてくるのも面白いところだ。
強力打線を誇る西武は相手の左右にかかわらず力を発揮。選手個々の相性としては明確に左腕と右腕のどちらかを得意としている選手も多かったが、チーム全体の成績はバランスの良いものとなっていた。昨季からリーグを席巻し続けている強力打線が安定した得点力を発揮し続けられる理由の一つは、こういったところにもあるのかもしれない。
今回はパ・リーグ6球団のうち3球団の数字を見ていったが、今回取り上げられなかったロッテ、オリックス、ソフトバンクの3球団と、その主力選手たちはどのような相性を示しているだろうか。次回の記事ではそれらの各球団についても、今回と同様に左右別の相性を見ていきたい。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)