話題の評論家、お股ニキが提案する新しいピッチデザイン法 「究極を言えば…」
ツイッターから人気沸騰、謎の解説者が「Full-Count」に登場する全3回
令和元年も残すところ1か月あまり。今年の流行語大賞の最終候補が発表されるなど、世間はすでに1年を締めくくる態勢に入っているが、今年“野球本”界で最も大きなセンセーションを巻き起こした作品と言えば「セイバーメトリクスの落とし穴 マネー・ボールを超える野球論」だろう。著者は、お股ニキ氏。野球経験は中学の部活までで、しかも先輩と喧嘩になって途中退部してしまったという。だが、著作は発売と同時に大きな話題を呼び、野球ファンのみならず、ソフトバンクの千賀滉大投手らプロも愛読書として手にしている。
そんな謎の解説者・お股氏が「Full-Count」でおなじみのラジオ番組「NO BASEBALL,NO LIFE.」にゲスト出演。MCを務める「SCOOBIE DO」のオカモト“MOBY”タクヤ氏、音楽スコアラーの久保田泰平氏らと、野球談義に花を咲かせた。大いに盛り上がった収録の一部を「Full-Count」で全3回にわたってご紹介。第1回は「お股ニキが提案する新たなピッチデザイン法」をお届けする。
◇ ◇ ◇
お股氏が野球好きの間で話題となり始めたのは、2010年代の初頭、ツイッター上でのことだった。元々はサッカー好きで、愛するレアルマドリードに関するツイートを発信していたが、久しぶりに見たメジャーリーグに興味を引かれた。ちょうど、シャーザー(当時はタイガース)、クルーバー(インディアンス)、カーショー(ドジャース)らが頭角を現した頃。まだフライボール革命が起こる前で「投高打低」の時代だった。
「子供の頃から野球を見るのが好きで、当時からピッチャーのボールの質とかを感じていたんだとは思うんです。『速っ』とか、『ぬるっ』とか、『あ、打たれる』とか。それで2010年代から久々に野球を見始めた。その頃ちょうどPITCHf/xとか出始めて、『FanGraphs』(米データサイト)とかで一般にもデータが閲覧できるようになったんですよ。それで自分の見ている感覚と(データで示される)実際の変化量が一致するというか、このくらいの変化量だったら(ボールがいくのは)この辺だなっていうのが大体分かってきた。僕はフィジカル的には一般人の中でも弱いんですけど、変化球とかを投げるのは結構巧いんですよ。なので、投げる感覚は自分で多少なりとも分かるので、こういう感じで投げたら打たれないなとか突き詰めて。例えば自分がシンダーガードだったら、こういう感じで投げられるかもっていう妄想、想像力を広げたという感じですね」