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盗塁阻止率より重要? 盗塁抑止力に優れる甲斐拓也と小林誠司の貢献

捕手にとって走者の盗塁を防ぐことは大きな仕事の一つだ。この能力について考える場合、一般的にはスローイングで走者を刺す盗塁阻止に焦点が当たることが多い。だが、優れた捕手は成功・失敗以前にそもそも盗塁を企図させないはずだ。「盗塁阻止」ではなく「盗塁抑止」とでもいうべきだろうか。

巨人・小林誠司(左)とソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史】
巨人・小林誠司(左)とソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史】

1球単位で分析、走者の能力も考慮に入れて弾き出した盗塁抑止力

 捕手にとって走者の盗塁を防ぐことは大きな仕事の一つだ。この能力について考える場合、一般的にはスローイングで走者を刺す盗塁阻止に焦点が当たることが多い。だが、優れた捕手は成功・失敗以前にそもそも盗塁を企図させないはずだ。「盗塁阻止」ではなく「盗塁抑止」とでもいうべきだろうか。

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 だが、盗塁阻止率などで評価される盗塁阻止と違い、日本では抑止に対する評価法や指標が確立されていない。先日、日刊スポーツにおいても里崎智也氏が1盗塁企図あたりに要したイニングという観点で、抑止力の評価を試みていた。ここでは1球単位のデータを使い、12球団の各捕手、そしてバッテリーがどれだけ盗塁を抑止していたかについてより具体的に迫りたい。

 まずシンプルに捕手の抑止力を測る方法として考えられるのは、盗塁企図の可能性がある状況に対し、実際に盗塁が企図された割合を見るというものだ。例えば、2019年のNPBでは走者一塁時における二塁への盗塁可能機会(注1)が2万7959球あり、そのうち1055球で二塁盗塁企図が行われた。割合は3.8%である。

 この平均的な企図率と各捕手の数字を比較すれば、どれだけ盗塁企図を抑止できていたかの目安になるだろう。例えば、2019年の甲斐拓也(ソフトバンク)は走者一塁時の盗塁可能機会2258球のうち、盗塁企図は65球。平均よりおよそ1%低い2.9%しか盗塁を企図されていなかった。

 ただ、この手法が盗塁抑止の実態に直接迫ることができているかというと微妙なところだ。大きな問題として考えられるのが、走者の走力を考慮できていないことだ。例えば、金子侑司(西武)と山川穂高(西武)の盗塁企図をそれぞれ抑止した場合、その価値は同じといえるだろうか。金子は昨季のパ・リーグ盗塁王、山川は昨季盗塁がわずか1つの走者である。実際には金子の盗塁を抑止することにより価値があるはずで、これらを加味した抑止力を求められるとより実態に迫ることができそうだ。

(注1)今回の分析で抽出した盗塁可能機会は以下の条件のいずれかにあてはまった場合をカウントしている

(1)一塁走者がいて、打球が発生しなかった投球。ただし2アウトで3ボール2ストライクからの投球は、打球が発生しなかった場合に四死球であれば自動進塁、三振であればチェンジとなり盗塁が記録されないため除いている。
(2)投球前に走者が飛び出し、盗塁・盗塁死が記録されたもの。
(3)投手けん制時に、走者が飛び出し盗塁・盗塁死が記録されたもの。

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