今季で見納めかもしれないワンポイント パ各球団の“左キラー”事情は?

ソフトバンクの嘉弥真は球界きっての左キラー

【ソフトバンク】
 3年連続日本一となったソフトバンクでは2人の左キラーの活躍が光る。嘉弥真新也投手とリバン・モイネロ投手だ。嘉弥真投手は、6年目の2017年、投球フォームをスリークォーターからサイドスローに変え、左のワンポイントとして生きる道を決意。これが見事的中し、以降3年連続で50試合以上に登板。鷹のブルペン陣に欠かせない存在となった。昨季は対右に被打率.333だったのに対し、対左には.225と左キラーぶりを存分に発揮。プレミア12にも選出されるなど、球界No.1に近い左キラーといえよう。

 モイネロ投手は150キロ超のストレートに曲がりの大きなカーブを武器とするキューバ出身の左腕だ。2017年途中に育成選手として入団すると、6月に支配下登録され34試合に登板、防御率2.52で15ホールドをマークした。翌年は防御率4.53と調子を崩したものの、昨季復活。対左に被打率.174と左キラーぶりを見せつけるだけでなく、対右にも被打率.180と圧巻の数字。自己最高の60試合で防御率1.52とチームを救い、リーグ3位の34ホールドを記録した。

 他にも、最速160キロ左腕として期待値が高い古谷優人投手や、多彩な変化球が武器の田浦文丸投手、また、背番号140の渡邉雄大投手も2軍で好投。渡邉投手はサイドスローの変則的なフォームが特徴で、自粛期間前の3月20日のロッテ戦で練習試合ながら1軍戦に初登板し、1回1失点の内容だった。バリエーション豊かな若手左腕たちの突き上げで、さらなる底上げが期待できる。

【楽天】
 これまで松井裕樹投手が左キラーにとどまらず、クローザーとして君臨し続けた楽天。しかし、松井が先発に転向した今季は、その台所事情が一変。支配下登録されている左投手の人数が8人とロッテとともにパ・リーグ最少。果たして左キラー事情はどうなっていくのか。

 近年ブルペンを支え続けたのが高梨雄平投手はトレードで巨人に移籍。その高梨に続く存在として期待されるのが、3年目の渡邊佑樹投手だ。支配下としては12球団でただ1人の山梨県出身の左腕は、出どころの見にくいフォームからキレのある直球とスライダー、チェンジアップが主のピッチングスタイル。右打者だけでなく、左打者にもチェンジアップを投じる点が特徴だ。

 昨季は2軍で22試合に登板し、先発・中継ぎどちらもこなすと、被打率は対左の方が良い数字(対左.226、対右.318)で、防御率2.98をマーク。1軍デビューを果たした7月25日の埼玉西武戦では2者連続四球の後、外崎修汰選手、山川穂高選手、中村剛也選手の強力右打者たちを3者連続三振に切って取った。順調に春季キャンプの1軍メンバーに選出された今季は、まずは左の中継ぎとして1軍定着が待望される。

ロッテの屋台骨を支える松永は7年連続40試合超に登板

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