元中日チェンがロッテVのラストピースに 実績豊富な左腕加入で期待される波及効果は?
現在のロッテには、若きサウスポーが多く在籍
ロッテがチェンを補強した理由の一つに挙げられるのが、チーム内の慢性的な先発投手、および左投手の不足にある。懸案だった左の先発として小島和哉投手が開幕から先発ローテーションに定着し、ここまで5勝を挙げる活躍を見せているのは明るい材料だ。だが、期待の大きかった種市篤暉投手の離脱もあり、先発投手陣全体がやや手薄な状況に。チェン投手が期待通りの働きを見せれば、シーズン終盤に向けても大きな追い風となる。
そして、チェン投手に期待される役割は単なる戦力としてのものだけにとどまらない。ロッテに現在在籍している左投げの投手の内訳、年齢、通算成績は下の表の通りとなっている。
30代は豊富な実績を誇りながら今季はコンディション不良に悩まされている松永投手のみで、20代前半の投手が8名中5名と、かなり若手が多い状況となっている。今季は土肥投手を除く7名の投手が1軍での登板を果たしているが、永野投手、山本投手はそれぞれ速球の威力に魅力があるものの、制球面や変化球の精度に少なからず課題を残しており、小島投手、中村稔投手のように投手陣の主力に定着するような立ち位置には至っていない。
また、成田投手も2軍では2年続けて中継ぎとしてフル回転して結果も残しているが、1軍ではなかなか本来の投球を見せられていない状況だ。それだけに、日米の双方で素晴らしい実績を残しただけでなく、2019年も一定の制球力を発揮していたことが指標にも示されているチェン投手の加入は、試合に臨む準備や、自らの武器をどう活かすかといった要素を含め、後輩たちにとっての“生きた教材”となる可能性は大いにあるはずだ。