笑顔と歓声に溢れたBaseball5体験会 元燕・宮本慎也氏が感じた可能性とは
宮本氏が期待するBaseball5の効果「公園でやっても『危ないからやるな』とは言われない」
待ちに待ったイベントがスタート。屋内アリーナに2面用意されたBaseball5用のコートでは、終始笑顔と歓声が途切れなかった。打者が打ったボールを捕って一塁へ送球してアウトを取る。野球と同じルールだが、いつもより狭いグラウンドで、よく弾むボールを使い、守備では5人全員が野手となると、どうやら勝手が違ってくるようだ。
ボールを捕ってからの送球が強すぎて、ベースカバーに入った選手が弾いてしまったり、打球に気を取られて誰もベースカバーに入らず、一塁走者に一気に生還を許したり。マイクを片手に会場を歩き回りながら、子どもたちに「思いきり打てよ。ちょろちょろセコイことはするな」「頭を使えよ」と軽妙なツッコミを入れていた宮本氏だが、笑いの中にも的確なアドバイスを送り、子どもたちが競技の持つ魅力により多く触れられるようにサポートした。
「誰も走者がいないのに、どうして一塁方向へ打つんだ?」
「近い距離で強く投げたら相手は取りやすいかな?」
「守備の正面に打つのと、間に打つのはどっちがいいだろう?」
「走者を先の塁に進めないためにはどうしたらいい?」
「ミスはしょうがないから、その後のプレーを考えよう」
宮本氏の言葉に耳を傾け、自身の頭で考えるようになった子どもたちは、次第に一塁送球を下手投げにしたり、近くのベースカバーに入ったり、前進守備の後ろに落ちるような打球を打ったり、工夫を凝らしながらプレーするようになった。子どもたち同士で掛け合う声も増え、かつて空き地で野球を楽しむ子どもたちの姿が再現されているようだった。
子どもたちと楽しい時間を共有した宮本氏は、Baseball5が持つ可能性について、こう語る。
「競技人口が減っている中で、野球が10年、20年先、今と変わらないメジャーなスポーツかというと、ちょっと怪しい部分があると僕は思っています。だから、Baseball5だったら気軽に始められるし、ちょっと広めの公園でやっても『危ないからやるな』とは言われないでしょう。まずはそういったところから始めて、じゃあバットで打ったらどれだけ飛ぶんだろう、グローブを持ったらどれだけ捕りやすいんだろう、と興味を持ってもらえればありがたいですね。
やっぱり野球がルールが難しいので、Baseball5のように普段の遊びとして親しめるところから慣れてもらうのもいい。ぜひ小学校や幼稚園から取り入れて、Baseball5や野球が子どもたちがプレーするスポーツの選択肢に入ってくれればと思います」
野球やソフトボールの普及を促す役割を持つ一方で、野球が持つ敷居の高さや堅苦しさがなく、手軽かつスピーディに楽しめる競技そのものも魅力的なBaseball5。年齢性別を問わないレクリエーションとしても、世界に続いて今後、日本でも競技人口を増やす可能性は高そうだ。
百聞は一見にしかず。まずは「Baseball5」が何なのか、WBSC公式ホームページ(https://baseball5.wbsc.org/ja.html)、全日本野球協会公式ホームページ(https://www.baseballjapan.org/jpn/baseball5japan/)で動画をチェックしてみよう。