来季の目玉は味全の1軍参入 台湾プロ野球の魅力とコロナ対策で残した功績
台湾プロ野球を運営するCPBL及び各球団の防疫対策に対する努力の賜物
台湾政府が水際対策、サージカルマスクの供給含め「先手、先手」の対策を行った事で、国内での感染拡大抑え込みに成功したという「前提」があるとはいえ、開幕戦の無観客から、台湾シリーズの15600人まで入場者数を緩和し、台湾シリーズが例年とほぼ変わらない形で開催できたことは台湾プロ野球を運営するCPBL及び、各球団の防疫対策に対する努力の賜物だ。
CPBLの呉志揚コミッショナーは開幕直後、選手、球団関係者、審判、マスコミ含め、感染者が確認された場合には、リーグを一時中断する方針を示していた。実際、この時期、2軍の選手や審判が感染者の利用が確認された商業施設に立ち寄ったことが判明した際には、自主的に隔離させて、2軍の他の審判も念の為に試合中にマスクを着用した。
このほか開幕前から各球団がシミュレーションを行い、選手、関係者、メディア、ファンを問わず、球場入場者に対して徹底的な感染防止対策を取ったほか、選手に対しては、日常生活からガイドラインを定めた。結果的に、台湾プロ野球は1、2軍の選手やスタッフを含め、感染例を一例も出す事なくシーズンを終えた。
台湾プロ野球は台湾のコロナ対策の成功例の一つとして、世界のメディアで大々的に報道された。また、英語によるライブ中継も北米を中心に大きな反響を呼んだ。中国との関係から、国際社会への参加に様々な制約を受けている台湾は、世界、特に先進国からの目を非常に重視する傾向がある。当然、関係者は喜びや誇りを感じただろうが、同時に台湾プロ野球を「防疫の穴」にするわけにはいかないという大きなプレッシャーを抱えていただろう。
シーズンの終了に際し、各選手がSNSでメッセージを発したが、多くの選手が、無事にシーズンを戦えたことについて、最前線の防疫スタッフやリーグ関係者の貢献、そして防疫対策に協力的だったファンに感謝した。コロナ対策を通じて、世界における台湾の存在感は高まったといえるが、台湾プロ野球もまた、そのイメージアップに大きく貢献したといえる。