来季の目玉は味全の1軍参入 台湾プロ野球の魅力とコロナ対策で残した功績

台湾でも海外からの入境者や帰国者の感染者は増加している

 ただ、非常に残念なのは、現時点においては、日本の皆さんに自信を持って「台湾プロ野球の魅力を体感しに、来春、是非台湾に来てください」と呼びかけられない事だ。今年は、CPBL主催のアジアウインターベースボールリーグの開催が見送られたほか、台湾で開催予定だったWBSCやBFA主催の国際大会も延期となった。

 また、これまで各球団がオフに企画していたNPB球団との交流試合やレギュラーシーズン中の日本をテーマとしたイベントの開催についても、現時点では不透明となっている。コロナ禍は、特に国境を越えた交流、人的往来に深刻な影響を与えている。

 この7か月あまり、市中感染が確認されていない台湾だが、ここに来て、海外からの入境者、帰国者の感染者数は増加の一途をたどっており、中央感染症指揮センターでは、12月1日から、入境者及び国内における感染防止対策を厳格化、入境時には3日以内のPCR検査陰性証明提出が必須となった。

 日本の観光庁に相当する交通部観光局は11月上旬、観光目的の往来の解禁時期について、日本など低リスク国についても、来年の第4四半期以降となる見通しを示した。交通部は、日本との「トラベルバブル」実施について、今後協議を行う可能性はあるとしているものの、その可否については中央感染症指揮センターのアドバイスに従うとしており、慎重な姿勢は崩していない。

 従来からのファンに加え、今季、ツイッターやスポーツ専門局などによる試合中継、また、チアガールに関する報道など、各種メディアにおける露出が増えたことにより、新たに台湾プロ野球に興味をもった日本のファンもたくさんいるだろう。当面は、CPBLや各チームの公式SNS、Youtubeの動画など、オンラインを通じて「台湾野球ロス」を凌いで頂きたい。そして今は、ワクチンの開発、普及も含め、新型コロナウイルスの早期収束、そして、自由に往来できる日が一日も早く訪れることを望みたい。

(「パ・リーグ インサイト」駒田英)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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