2年連続最下位、今季のオリックスを振り返る 吉田正が首位打者も…【野手編】

レギュラー争い途上の内野陣、抜け出すのは誰か

 今季は吉田正やT-岡田、そしてジョーンズやモヤといった長距離砲が打線の中核に座った一方で、その他のポジションでは内外野とも確たるレギュラー選手が現れないままシーズンを終えた。

 昨季主将を務めた福田周平内野手の故障や、大城滉二内野手の打撃不振によりなかなかメンバーが定まらなかった内野陣。最多出場は94試合の大城だったが、打率が昨季の.262から.207へと落ち込み、シーズン終盤には若手選手に出場機会を譲ることも多くなった。昨季と同数の11犠打、そしてやや数字を落としたものの7盗塁を記録し、打線の潤滑油としての役目はしっかりと果たしただけに、来季は再び打撃から存在感を示していきたいところだ。

 福田は自身初の規定打席到達を果たした昨季から一転、開幕直前の故障で今季初出場が7月31日となった。復帰後はコンスタントに安打を重ねて健在ぶりを示すと、9月4日には自身初となる5番、さらに17日には3番と、クリーンアップの一角としての出場も経験した。打率.258、出塁率.366といずれも昨季から数字を向上させた。自己最少の出場試合数に終わった今季を糧に、1年を通した活躍が期待される。

 安達了一内野手は、故障や体調不良が重なってレギュラー定着以降最少の56試合出場に終わった昨季から一転、1年を通して1軍に帯同し続けるシーズンとなった。国指定の難病・潰瘍性大腸炎との折り合いをつけながら出場こそ78試合にとどまったが、開幕から安定感のある打撃を披露して打率.289、15盗塁を記録。シーズン終盤にはクリーンアップの一角として起用される機会も増え、攻守にチームをけん引した。出場機会が限られる中でも、その背中が示す存在感は大きい。

 ここ数年で内野手争いを繰り広げてきた3選手に加え、若い選手が続々と名乗りを挙げてきたのは明るい材料だ。昨季のドラフト1位・太田椋内野手は、プロ初本塁打を含む3本塁打を放って打率.259を記録。ケガに苦しみ出場こそ20試合にとどまったが、持ち前の打撃センスでレギュラー争いに加わった。同じく高卒2年目の宜保翔内野手、そしてシーズン最後の5戦で先発出場したドラフト2位ルーキー・紅林弘太郎内野手も参戦し、来季の二遊間のポジション争いはし烈を極めそうだ。若手、ベテランと入り乱れたレギュラー争いから抜け出すのはどの選手になるか。

外野陣からは苦節を経た韋駄天が台頭、捕手再転向の大砲が終盤に存在感示す

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