2年連続最下位、今季のオリックスを振り返る 吉田正が首位打者も…【野手編】

得点力不足解消へ、スタメン定着を果たすのは

 来季もこの2人を中心に激しいポジション争いが繰り広げられそうだが、シーズン終盤、ここに新たな名前が加わった。2年目を迎えた頓宮裕真捕手だ。亜細亜大学時代は捕手として名を馳せていたが、プロ入り後は三塁手に転向していた頓宮。しかし、昨季中盤に捕手への再転向を果たすと、今季はケガによる離脱を経ながら10月にはファームで打率.296、2本塁打を記録し、10月23日に満を持して1軍昇格を果たした。初先発となった翌日のロッテ戦でアルバースを6回2/3、無失点の投球で白星に導くと、以降は7試合で先発マスクを経験。打撃面でも打率.313、2本塁打と光るものを見せ、正捕手争いの急先鋒として存在感を示した。

 序盤、中盤、終盤とそれぞれ起用されてきた3選手が来季はどのような活躍を見せるか。そして、この中から正捕手として抜け出す選手が現れるのか。来季の巻き返しにむけて、投手陣を引っ張る扇の要を巡る争いにも注目していきたい。

 吉田正が首位打者のタイトルを手にする充実の1年を送った一方、シーズンを通して攻撃力不足に悩まされた2020年のオリックス。各ポジションともに多くの選手が起用され、台頭してきたが、頭1つ抜ける存在が現れないシーズンであったとも言えそうだ。

 若月を筆頭に3選手が名を連ねる捕手、太田を筆頭に高卒2年目以内の選手たちが素質の片りんを見せた二遊間、そして苦節を経て活躍の兆しをつかんだ佐野が引っ張る外野手と、多くのポジションに有望な選手がそろうだけに、伸びしろは十分にある。ジョーンズ、モヤの両外国人選手、さらには杉本や中川圭、育成から1軍定着を果たした大下らレギュラー候補とともに、来季は「点を取れる」打線を形作ることが目標となる。

(「パ・リーグ インサイト」成田康史)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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