4年ぶりAクラスのロッテ チーム打率リーグ最下位も得た収穫と手応え【野手編】

「不敗神話」も築き上げたマーティン、4番としての重責と戦い続けた安田尚憲

 打線が低調となる中、2年目を迎えた助っ人・マーティン外野手の打棒がチームをけん引することとなった。昨季、52試合の出場で14本塁打を放った長打力は今季も健在。特に10本塁打を放ち好調だった8月は一時、本塁打を打てばチームが負けない「不敗神話」を生み出すほどで、単独首位浮上の原動力ともなった。さらに外野守備でもリーグトップの8補殺を記録するなど、持ち前の強肩を武器にチームのピンチを何度も救った。終盤に故障で離脱することにはなったものの、104試合の出場で25本塁打、65打点とその実力を遺憾なく発揮し、中軸としての存在感を示した。

 離脱したレアードの穴を埋めることとなったのが、3年目の安田尚憲内野手だ。昨季、イースタン・リーグで本塁打王、打点王を獲得し、最多安打を放った若き大砲は、練習試合の猛アピールで初の開幕1軍入りを決めると、徐々にスタメン出場を増やし、7月下旬からは「4番・三塁」に定着した。しかし厳しいマークからか調子を崩し、首位争いも佳境に差し掛かった10月には打率1割台と不振にあえいだ。最終的に規定打席には到達したものの、113試合で87安打6本塁打54打点、打率.221と、悔しさの残るシーズンとなった。それでも1軍で戦い続けた経験は今後にも生きるはず。来季は真価が問われることになるだろう。

 シーズンを通して離脱者が相次いだロッテだったが、中村奨吾内野手がチーム唯一の全試合出場を果たした。打撃面では3年連続となる100安打をクリアしながらも打率は.249にとどまる寂しい結果に終わったが、それでもチームが勝ち越したオリックス戦とソフトバンク戦での成績については、目を見張るものがあった。オリックス戦では打率.310、4本塁打をマークし、チームの13の勝ち越しに大きく貢献。さらに首位攻防の相手となったソフトバンク戦でも打率.338と相性の良さを示すとともに、得点圏でも打率.348と勝負強さを見せた。好相性のチームに対しては中村奨の打撃が脅威となったことは言うまでもないだろう。

育成出身・和田康士朗は快足を武器に「切り札的存在」に

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY