ガム噛みながら練習する子どもたち “型破り”な野球塾が支持されるワケ
「いい選手は、いいコーチを見つけるのが上手い」怠らない向学心
“いい選手は、いいコーチを見つけるのが上手い”がモットー。だから指導者として、向学を怠るわけにはいかない。「子どもたちからの質問に『いいからやれ!』という指導者は、1番ダメはケース。答えられなかったこちらの勉強不足だし、僕は正直に『調べるから時間をくれ』と言うようにしています」。自らが思う正解を押し付けることが指導とは思わない。
決して「野球<ベースボール」だとは思っていない。基本を蔑ろにするつもりもない。ただ、今まで疑いもなく教えられてきた“過去の常識”を見つめ直す。「ゴロは必ず、左足を前に出して体の正面で捕れ」。そう少年時代に耳にタコができるほど言われてきたことだって、正解とは限らない。
「守備で大切なのは、アウトを取ること。正面で捕ることを優先してセーフになったら意味がない。一か八かでアウトにできるタイミングなら、僕はどんな捕り方だっていいと思っています」
だから逆シングルだって、ジャンピングスローだって教える。指導者によっては「横着するな」と叱るかもしれない。ミスすれば「ほれ見たことか」と基本徹底を説かれるかもしれない。だが米国では、全く違う言葉をかけられるという。
「アメリカの場合は『ナイストライ』って言いますね。じゃあ次は、そのプレーができるように練習しようとなります」