イチロー氏ら「ドラ4」の高卒外野手は“出世コース”? 飛躍が期待される西武の22歳

大村直之氏とイチロー氏の成績【表:PLM】
大村直之氏とイチロー氏の成績【表:PLM】

「ドラ4」でオリックス入団のイチロー氏は3年目にシーズン200安打達成

 イチロー氏といえば日米の双方において数々の金字塔を打ち立てた、まさに球界のレジェンドと呼べる存在だ。そんなイチロー氏であっても、プロ入りから2年間はそれぞれ40試合台の出場にとどまっていた。大ブレイクを果たしたのはプロ3年目の1994年で、NPB史上初のシーズン200安打超えという快挙を達成。一躍スターダムを駆け上がると、そこから米球界に挑戦するまでの7シーズン連続で首位打者を獲得するという驚異的な活躍を続けた。

森本稀哲氏と多村仁志氏の成績【表:PLM】
森本稀哲氏と多村仁志氏の成績【表:PLM】

 最後に、プロ入りから規定打席到達までやや時間がかかった森本稀哲氏と多村仁志氏の成績を紹介しよう。森本氏は帝京高から1998年のドラフト4位で日本ハムに入団し、プロ3年目の2001年から4年連続で60試合以上に出場。ただ、2002年から3シーズン続けて打率1割台に終わるなど、当時は代走や守備固めが主な役割となっていた。潮目が変わったのは2005年で、自身初めて出場試合数が100試合を超え、打率.264と向上。2006年にはさらに成績を伸ばし、トップバッターとしてチームの日本一にも大きく貢献した。

 横浜港から1994年ドラフト4位で横浜(現DeNA)に入団した多村氏はプロ入りから5年間での1軍出場が18試合と、なかなか台頭のきっかけをつかめず、2000年に84試合で7本塁打を放ってからも停滞が続いた。だが、2004年にプロ10年目にして初めて規定打席に到達すると、打率3割、40本塁打、100打点という大台をクリアし、2006年WBCでも主力として優勝に貢献。ソフトバンクでも2010年に打率.324、27本塁打、89打点という活躍を見せ、同年のリーグ制覇にも大きく貢献した。

 ブレークまでにかかる年月やその経緯は、当然ながら各選手によってさまざま。そんな中で栗山、イチロー氏、森本氏、多村氏はドラフト4位で入団している。鈴木選手と同じく、ドラフト上位とはいえない順位からプロの舞台で実力を認められ、チームの主力として息の長い活躍を見せた選手たちの存在は鈴木にとっても良い先例となりそうだ。現在売り出し中の若武者は、プレースタイルの似た小関コーチや栗山選手のように、今後もチームの屋台骨を支える存在となれるか。今シーズンの活躍に要注目だ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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