ジュニア世代の食事には何が必要? 専門家が推奨する「5つのお皿+乳製品・果物」

公認スポーツ栄養士の酒井美緒さん【写真:本人提供】
公認スポーツ栄養士の酒井美緒さん【写真:本人提供】

「5つのお皿」とは主食・主菜・副菜2品・汁物

 女子野球やサッカー、ラグビー選手の食事をサポートしてきた公認スポーツ栄養士・酒井美緒さんによる連載「成長メシのすすめ」の第2回は、「バランスの取れた食事」について。体が社会人やプロと違うジュニア世代には、どんな食事が必要なのか。酒井さんは「5つの皿」を提案し、忙しい時の代替方法も挙げている。

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 成長期の小学生から高校生までは食の習慣が身に付く時期でもあります。まず意識してほしいのは「バランスの取れた食事」です。前回お話しましたが、ジュニア世代とプロのアスリートは体が違うので、食事や栄養の摂取の仕方で気を付ける点は異なります。では、「バランスの取れた食事」とは、どういうものなのか説明していきます。「バランスの取れた食事」とは、5大栄養素である炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルが揃っている食事の事です。

 エネルギーになる栄養素は主に糖質と脂質です。特に消化吸収がよく、すぐにエネルギー源となる糖質を朝、昼、晩の3食に必ずとり入れる事をお勧めします。糖質はご飯、パン、麺類等に豊富に含まれています。筋肉や血液の材料になる栄養素はタンパク質です。タンパク質は肉類や魚類、卵や大豆製品に豊富です。

 私は、「5つのお皿+乳製品・果物を揃えましょう」と言っています。1つ目は、エネルギー源となるゴハンやパンなどの主食。2つ目は、タンパク質源となる肉や魚などの主菜。3つ目・4つ目で副菜は2品あるといいですね。副菜には野菜やキノコ類、海藻類等をとり入れるとビタミン・ミネラル類を補う事ができます。そして5つ目に汁物です。副菜や汁物に、じゃがいもやカボチャ等をとり入れるとプラスで糖質を摂取する事ができますし、卵や納豆等をとり入れるとタンパク質を摂取する事ができます。

 スポーツ選手をサポートする中で、乳製品と果物を抜いているケースが多く見受けられます。先ほどの5つのお皿に加えて、カルシウムやビタミン類を補うために、乳製品と果物も摂取するように心掛けてください。特に12歳から14歳は骨がつくられる時期でカルシウム蓄積速度が最大になります。食事摂取基準もこの時期のカルシウム推奨量が生涯のうちで最も多く定められています。カルシウム不足にならないように牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品をとり入れていきましょう。

 この「5つのお皿+乳製品・果物」が揃っていると、ある程度バランスが取れた食事になります。栄養素は「これだけを食べれば補える!」といったものではありません。様々な食品に、様々な栄養素が含まれています。彩りよく、色々な食材から栄養素をとり入れる事を心がけましょう。

忙しい朝に栄養素をまとめて摂取する方法は

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