北海道の少年野球で囁かれる「小3問題」 “選手ゼロ”の町村も「その事実は衝撃的」

野球少年は減少も…「15年くらい前から高校野球到達率は高くなっている」

 もうひとつ、北海道の少年野球指導者の間で囁かれているのが“小3問題”だ。「今年の3年生大会の様子を聞くと、去年よりも圧倒的に連合チームが多くなっています。この9歳、10歳の子が高校野球に上がる頃には、ものすごい異変が起きているんじゃないでしょうか」と危惧する。

 野球少年は急激に減っているが、卒業後も野球を続けている選手は増えているという。「年代によって違いますが、昔は高校野球までは、卒団生の2、3割だったのが、最近は半分を越え多いときは8割、そして全員という年もあります。10年くらい前から高校野球到達率は高くなっています」と実体験として語る。

 その要因として、出場機会の増加を挙げる。競技人口が減ったため、個々の出番が増え、勝つ喜びや負ける悔しさを味わうようになった。「勝つ喜びがわからない子たちは、能力が高くてもやめていきますね。ただ、最近は選抜チームという取り組みもあるので、なかなか勝ちに恵まれなかったチームにいた能力の高い子が選抜チームに参加して、刺激を受けて続けるケースも増えています」。

 少子化の波が押し寄せる中で、野球の“入り口”を担う指導者としてできることは何か。学童世代は、プロ野球を頂点とした球界の大事な裾野を担う。その答えを探し続ける坂下監督は「何かのきっかけで入ってきてくれた子どもたちを大事に育てることがすごく大事ですよね。その子たちが中学や高校にたどりついてくれたら」と願いながら、毎日野球少年少女と向き合っている。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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