少年野球の「当番制」は悪しき伝統? 元女子アナの野球ママが目撃した涙の理由

フリーアナウンサーの林京子さん【写真:編集部】
フリーアナウンサーの林京子さん【写真:編集部】

「強要して保護者の負担になるのは避けなければいけません」

 少年野球が保護者から敬遠される理由の1つに「当番」がある。巨人、日本ハム、DeNAなどでプレーした林昌範さんの妻でフリーアナウンサー・林京子さんの長男が所属するチームも、当番制が伝統になっている。マイナスイメージがあるが、林さんは「面倒なだけではない」と、保護者が深く関わるからこそ得られる感動があると話す。

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 小学5年生の長男がプレーしているチームにも「当番」があり、月に2回くらい回ってきます。朝からグラウンドに行って、場所をお借りしている学校のトイレを掃除したり、試合中に審判の方にお茶を渡したり、子どもたちのサポートをしたりしています。正直、当番は疲れます。拘束時間は長いですし、自分の子ども以外の子どもたちにも目を配らなければなりません。夏は汗だくになりますし、冬はスキー用のタイツを履いてダウンコートを重ね着して寒さをしのいでいます。

 ただ、当番は必要なのかなと感じています。夏場の猛暑で、子どもたちが熱中症になりそうな日がありました。「頭や首を冷やしなさい」「塩分を摂りなさい」と言っても、危機感を持っている子どもはほとんどいません。監督やコーチだけでは目の届かないところがあるかもしれないので、当番や保護者のサポートがあった方がいいと思っています。

 当番などでチームに関わっていると、子どもたちに自然と愛着が湧いてきます。自分の子どもではないのに、マウンドで力投する姿を見て保護者が泣いているんです。これはプロ野球ではあり得ません。私が泣いたのは、主人の引退試合くらいです。それは、子どもたちが日ごろからどれだけ頑張っているのかを間近で見てきたから、保護者としてチームをサポートしてきたからだと思うんです。

 子どもたちの前向きな姿勢や成長を見ていると、当番が大変という考えはなくなります。大人になって、他の人たちと喜びを共有したり、感動して泣いたりする機会はなかなかありません。子どもと一緒にスポーツに没頭できる期間は限られているので、貴重な時間だなと噛みしめています。

 ただ、当番を強要して、保護者の負担になるのは避けなければいけません。土日が仕事のご家庭や、まだ幼い兄弟がいるご家庭など様々な事情があります。当番を均等に振り分ける必要はなく、できる範囲で参加すれば良いのではないでしょうか。私も車の運転ができないので、他の部分でお手伝いしています。保護者が揉めているより支え合っている方が、子どもたちにもいい影響を及ぼすと思います。

○林京子(はやし・きょうこ)旧姓・亀井京子。1982年8月23日生まれ。兵庫県出身。2005年にテレビ東京、アナウンサー職で入社。2008年、林昌範さんとの結婚を機に退社。現在はフリーアナウンサーとして活動する1男1女の母。アスリートフードマイスター。健康志向ジェラートブランド『Karadaneeds(カラダニーズ)』を設立するなど活躍中。

Karadaneeds公式オンラインショップ:https://karadaneeds.com/
ブログ「かめぶろ」:https://ameblo.jp/kyokokamei/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/kyokokameiofficial/

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