クイックでも球威を落とさない方法とは? NPB通算595登板左腕が明かした“極意”

中日や巨人などで活躍した前田幸長氏【写真:荒川祐史】
中日や巨人などで活躍した前田幸長氏【写真:荒川祐史】

前田幸長氏は球速を落とさず制球も乱さない“スーパークイック”で595登板

 盗塁阻止や打者のタイミングを外すために投手が使うクイックモーション。ただ、球速や球威、制球力が落ちやすいのが難点でもある。現役時代に“スーパークイック”の使い手として、ロッテ、中日、巨人でNPB通算595登板を果たした前田幸長氏が自身の公式YouTube「前田幸長のチョコチャンネル」で、クイックでも球速や制球力を落とさない“極意”を実演しながら、明かしている。

 走塁のスペシャリストとして知られる元巨人・鈴木尚広氏に指導する形で行われている動画では、“スーパークイック”を編み出した経緯、球威や制球力を落とさずに投げるコツを伝授。球速を落とさないために重要なのは素早く“捻り”を入れること。踏み出す足(左腕の前田氏の場合は右足)を二塁方向に向けることや、腰をごく短時間で「弓矢を引く」イメージで捻ることなどを明かしている。

 元々制球力には自信があり「アウトコース、インコースに投げるのは容易かった」という前田氏。利き腕をトップの位置に持っていった時に、肩の入れ具合を調整して内外角を投げ分けることができたという。こうした、投球術を身につけていたからこそ「僕以外にできた人はほとんどいなかったし、盗塁された記憶もない」スーパークイックという絶対的な武器を得られたのだろう。

 では、スペシャルな技術を生み出す基になった投球術を、少年少女が身につけるにはどうしたらいいのだろうか。「大事なのは常にボールをいじっていること、自分に合った動作を探し続けること、そして積み重ねだと思います」。

 まずはどの球種でもストライクを投げられる制球力、次にコースに投げ分けできるようにしていく。一歩ずつ段階を踏むことが1番の近道だという。基本に忠実に取り組んでいくうちに、自らの武器が見えてくるのではないだろうか。

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