名門校から公立まで「選手に合った」学校選びを 気になる強豪シニアの進路指導とは?

どの程度、勉強ができればいいのか…通知表や授業態度も確認

 武蔵府中シニアは平日もナイター練習を行なっている。その時間、塾や自宅学習をしないといけない選手の参加はどのようになっているのか。

「平日の夜間練習に関しては強制はしていません。休んでもかまわないです。いつも言うのは、高校に行ったら野球と勉強は両立しないといけないんだから、今のうちから両立できるようにしておきなさいね、と」

 通知表やテストの成績のチェックも監督の仕事だ。特に見るのは学校の担任から、その子に向けたコメント欄だという。成績を落とした子へ「練習に来るな」とは言わないが、学校生活についての話し合いはする。

「提出物の期限を守らない、先生の言うことを聞かない、とかコメントで書いてあった場合は保護者との三者面談とかしますね。自分が直接、生活指導の先生に相談したこともありました。この子は野球でこういうところを頑張っているので……と説明したこともありました(苦笑)。ただ、最近の子はいい子ばっかりだから、そういうのは減りましたけどね」

 成績不振、生活態度の乱れは、どこから来ているのかを考えてあげることで、子どもの未来も変わってくる。30年以上も中学生を見てきている小泉監督だから見抜けることだってある。

「家庭の事情で違ってくることもあるんです。なので、自分がどこで気がついてあげられるか、そこが重要かと思っています」

 広い視野でグラウンドを見渡していると、練習態度だけでなく、時には選手のユニホームの綻びやボロボロになっているスパイクなどにも目が留まる。過去には弁当の中身で選手に起きている身の回りの変化に気づいたこともあるという。子どもを預かるということは並大抵の覚悟ではできないことが小泉監督の背中から伝わった。

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