日本+海外が生み出す化学反応 田澤純一が驚いた来日外国人選手の“変化”

昨季までオリックスに所属していたアダム・ジョーンズ【写真:荒川祐史】
昨季までオリックスに所属していたアダム・ジョーンズ【写真:荒川祐史】

ロッテのエチェバリアや元オリAJのNPB入りは「大きなプラス」

 野球界も選手が海外でプレーしやすく、日本に戻ってきやすい環境が今以上に整えば、選手が海外で学んだスキルや知識を持ち帰り、それが日本で混ざり合い、化学変化を起こして、野球がさらに魅力あるものになる可能性は十分ある。最近、興味深い傾向が生まれてきた。日本球界にやってくる外国人選手の中にメジャーでも一目置かれる選手が増えてきたのだ。つまり、日本にいながらメジャートップレベルの技術を学べる機会が増えているというわけだ。

「すごくいいことだと思います。昨年で言えば、エチェバリア(ロッテ)が日本に来たのは本当にいいこと。あの守備はメジャーでもなかなか見られないレベルですから。僕もマーリンズでよく助けられました。打撃はそこそこかもしれませんが、あの守備を間近で見られるのは、日本人選手にとって大きなプラスになると思います。ウワッと衝撃を受けるだけでも大きな経験ですよね。スキルだけではなく、どんな練習やトレーニングをしているのか、試合までの準備はどんなメニューなのかも知ることができる。アダム・ジョーンズ(元オリックス)が来たのも驚きましたが、すごくいいなと思いました」

 田澤自身、レッドソックスでは通算138勝したジョシュ・ベケット、200勝左腕ジョン・レスターらが地道にトレーニングを積み重ねる姿、マーリンズではイチロー氏が毎日続ける手を抜かない準備を目の当たりにした。

「僕もベケットやレスターがどんなトレーニングをしているのか、どれだけ朝早くから準備をしているのか、そういうことを学びました。それがエチェバリアの方が日本に来てくれたわけですから、こんなチャンスはない。メジャーに行かずして学べるのは大きいですよね」

 メジャーでは現在、オーナー側と選手会の労使交渉がもつれ、ロックアウトが続いている。このままでは、場合によってはスプリングトレーニングの開始、そして開幕が遅れる可能性も出てくる。となると、現在フリーエージェントになっている選手の中には、野球ができる環境を求め、日本にやってくるケースもあるだろう。

 12球団ともに外国人選手の補強はほぼ終わっているが、怪我をしてしまったり、調子が上がらなかったり、いつ再補強が必要になるか分からない。そこで思わぬ“大物”が来日することもあり得るだろう。海外に行かなければ分からないことの一部が、日本にいながらにして体験できる。この絶好機を上手く使わない手はない。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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