172cm、90kgの小6スラッガー 巨人Jr.の4番を育てた「自主性伸ばす」指導法

自身も社会人チーム・昭和コンクリートでプレー、学生時代に世田谷西シニアでコーチを務める

 自身も大阪・北野高で1年夏から遊撃のレギュラーを掴み、強豪そろう大阪大会でベスト8まで進出した。慶大に進学し、一度野球から離れるものの、在学中に中学野球の強豪、東京・世田谷西シニアでコーチを務めた。同チームの蓬莱昭彦総監督に現役復帰を勧められ、卒業後、2年間社会人野球チーム・昭和コンクリートで現役を続けた。

 独自の打撃理論や、“結果”と“自主性”を求めた世田谷西シニアでの指導経験は「今に生きている」と感じている。兄の翔太さんが6年生、諒太くんが4年生の時に、久本ブルーエンジェルスの監督に就任した。監督として、成功体験がやる気につながると、全選手の成績や、指導マニュアルを書いた資料を作成し、保護者や選手に配布した。チームは、見る見るうちに強くなり、昨年夏、チーム創部20年にして、初めて全日本学童軟式野球大会「マクドナルド・トーナメント」に出場を果たした。

 伸孝さんが諒太くんに求めるのは“影響力のある人”だ。「例えば守備のときに、状況に応じて次のプレーを予測して、『こういう打球があるよ』とか『こんな作戦がくるかも』とか、率先してチーム内に会話を生み出し、全員が次のプレーに備える。そんなキッカケを作ることができる選手になってほしい」。チームに影響力を与えるためには、“ある程度の実力”も不可欠だと話す。

 実際に父の思いは本人に引き継がれている。ジャイアンツジュニアの西村健太朗監督は「彼のところにみんなが質問しに行く」と明かすように影響を与えていた。それだけでなく、試合でも4番として3試合連発本塁打で、チームの3位入賞に貢献した。

 4月からは兄が在籍し、父が過去にコーチを務めた世田谷西シニアに入団予定だ。父もスタッフとして支える。「さらに厳しい野球になっていくが、乗り越えて、周りに影響力ある人間になってほしいなと思います」。監督と選手という関係はなくなるが、それでも自らの夢につき進む諒太くんを支え続ける。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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