「日本のバットは飛びすぎる」埋まらぬ世界との差…危機感抱くポニーの“改革”
価格や高野連の基準、米国製バット導入に高いハードル
高校生の年代から世界の基準に合ったバットを使った方が将来につながると考え、ポニーリーグでは米国で作られた低反発のバットを採用している。だが、この動きを広げるのは難しい。広澤理事長は「そもそも、日本には低反発のバットが売っていないんです」と嘆く。米国製のバットを使うには輸入する以外の方法はなく、新型コロナウイルスの感染拡大に加えて原油高、円安などの影響で価格は上昇。“逆風”となっている。
米国製バットは日本高校野球連盟で認められていないという問題もある。高野連の規定では、使用できる野球用具は安全性が確認されたSGマークがついたものに限定される。米国製バットの導入には、いくつものハードルがあるのだ。
そこで、ポニーリーグでは今年、一部の大会で使用するバットを木製に限定した。広澤理事長は「米国の低反発バットが手に入りにくいので、それなら木製を使ってみようということになりました」と経緯を明かす。
バットに関する議論は、ここ数年で進んでいる。高野連は2024年春から独自の基準を設けて、反発を抑えたバットを採用する方針。ただ、部活、シニア、リトルなど組織や団体が分かれている中学生以下では、それぞれのリーグに判断が任せられている。“飛ぶバット”への賛否が分かれる中、カテゴリーを超えて足並みを揃えるのは簡単ではない。ポニーリーグの取り組みが現状に変化をもたらすのか注目されている。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)
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